でっきぶらし(News Paper)

一覧へ戻る

159号の2ページへ »

159号(2004年05月)1ページ

暑い夏にも負けない動物達

今年も例年のごとく暑い季節がやってきました。人間も炎天下で長時間過ごすと体調を崩してしまいます。動物園の動物達も同じように日射病や熱射病になることがあります。このため暑さから動物達を守るためにいろいろな工夫をしています。
 少しでも涼しい木陰を求めてはひと休み。
 ところで動物園の動物たちは、こんなに暑い日はどうしているのでしょう。 心配です。
 動物園の動物たちはアフリカなどの暖かな国で生まれた個体や、日本生まれの個体が殆どですから、多少の暑さには順応できる能力を兼ね備えています。しかし暑さにとても弱い動物達もいます。ホッキョクグマをはじめとし、レッサーパンダ、トラ、ユキヒョウなどは暑さに大変デリケートな動物です。ホッキョクグマは大きなプールがあり、トラも朝夕小さなプールで涼んでいます、ジャガーも水遊びが大好きです。レッサーパンダは冷房設備があるため快適ですが、ユキヒョウなどは床暖房はありますが冷房設備がなく、当園のユキヒョウは何度となく熱中症で入院したことがあります。
 それも無理のないことで、彼らは夏でも厚い毛皮を身にまとっているため体内の熱の放散が他の動物より難しく熱が体内にこもりやすいからです。
 このように動物の多くは人間のように汗腺が発達していないため、暑さにはとてもデリケートな生き物なのです。
 同じ暑さでもアフリカと日本の暑さの大きな違いは湿度にあります。同じ40度位の温度でも湿度が日本のように80%〜90%もあると木陰での体感温度はかなりの差があります。日本の高湿度の夏は動物達にとってはかなり過酷な環境と云えるでしょう
 今年の夏も健康で過ごせるように、飼育員達は、熱中症予防のため放飼場に寒冷遮で木陰を作ったり、簡単なシャワーを取り付けたり、脱水予防のため新鮮な水を水鉢に常に補給したり、朝夕の放飼場への散水など地道な努力を怠りません。
 食事面でも、夏ばてしないように栄養のバランスや高カロリー食など食事メニューにも気を配っています。
 暑い日はお客様には大変ご迷惑をお掛けするかもしれませんが、健康維持のため早めに入室する事がありますがご理解頂きたいと思います。      今年の夏も動物たちが無事に健康で乗り切れることを願ってやみません。

159号の2ページへ »

一覧へ戻る

ページの先頭へ