でっきぶらし(News Paper)

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160号(2004年07月)3ページ

「動物園日誌」ができるまで

 皆さんはこの「デッキブラシ」の「動物園日誌」がどのように作られているかご存知ですか?
 創刊当時は編集長の小野田さんが、各方面から情報を集め制作していました。その後編集長が八木さんに変わり、ひとえに八木さんの努力に支えられて続けられてきました。
 それでは、今はどのように作られているのかというと、飼育係が毎日、1日の出来事を記録する「飼育日誌」が基になっています。
 飼育係は365日毎日休みの無い仕事です。飼育の仕事は基本的に2人1組で行っています。自分の担当動物の日誌を書くのは当然ですが、相方が休みの時は相手の担当動物も担当しますので、その日は自分と相方の担当動物を全部日誌に書きます。それが1年分となるとかなりの量になります。膨大な日誌を残しておくのも大変ですが、後日、何年も前の調べ物をする時もまた大変な作業です。
 そしてこのような大変な作業を改善するために、4年前から飼育日誌をペーパーレスにしようということになり、コンピューターを飼育課に導入しました。飼育日誌のソフトを開発して、各自が毎日の日誌をパソコンに入力しています。1ヶ月の入力件数は大体800件から900件ほどです。これを翌月の月初めに整理するのです。はじめに900件を約120件ほどに絞ります。これは動物園のホームページの掲載用とします。「デッキブラシ」作成は、これを更に60件ぐらいまで絞込みます。
 ここまで来るのにもかなり大変な作業があります。まず、インターネットに載せるかどうかの判断をします。そして、日誌はかなり専門用語で書かれていますので(造語が多いのですが!)、それを意味や記事の中身が変わらないようにわかりやすい用語に直していきます。さらに、「デッキブラシ」には載せられる枠が決まっているので、その中に納まるように字数を調整します(これが大変!)。載せたい記事ばかりのときは、どの記事を削るか何分も迷うことがあります。何とか原稿が完成すると今度は、編集長のチェックです(これが厳しい!)。もちろん不適切な表現を載せるわけにはいかないので、厳しくてあたりまえなのですが、何度も校正が帰ってくるとつい・・・(-_-;)
 このように今では「動物園日誌」の製作はすべてコンピューター上で行なわれています。「デッキブラシ」を始めた頃は小野田さんが拾い出した記事を手書きで作っていました。その頃のことを考えると隔世の感があります。
 そして今の最大の利点は、市民の皆様が過去にさかのぼって動物園の出来事に触れることができるようになったことです。インターネットを通じて、何月何日は何があったのか?ゾウさんの成長記録を調べることも可能になりました。また私たち飼育係も便利になりました。過去の出来事を知りたいとき、パソコンに知りたい用件を入力すれば瞬時に答えが帰ってきます。以前古い飼育日誌を引っ張り出し1ページずつ調べていたことを考えればまるでうそのようです。
 日本平動物園は今年で35周年を迎えました。今まで長い歴史の中で多くの動物たちが繰り広げてきた様々なドラマがあります。ぜひ時間があるときにでも日本平動物園ホームページにアクセスして「飼育日誌」を開いてみてください。
                                      (鈴木 和明)

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