でっきぶらし(News Paper)

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162号(2004年11月)8ページ

病院だより 惜しかった! ナマケモノ12年ぶりの出産

夜行性館に入ると右奥にいる白い毛のあまり動かない動物をご存知ですか?目立たないですが動物園の隠れた人気者、フタユビナマケモノです。91年に来園したナマケモノ夫婦は、翌年に1頭出産して以来、長い間子宝に恵まれませんでした。
12月のある日、担当者から「最近ナマケモノのメスが掃除のときやけにバタバタ動くんだよね」と聞きました。ささいな変化でもいつもと違う行動があるときは、何かがあったのかもしれません。こういうときこそ飼育係のプロの観察力がものを言います。ナマケモノは一日に20時間も眠る習性の持ち主で、食事やトイレ以外ではほとんど寝ていて動きません。夫婦げんかをしている様子もないし、掃除以外のときに動き回っているようでもないし、注意して観察を続けることにしました。
すると、年が明けた1月11日の朝、子供が床に落ちていました。子供は呼吸した様子がなく、残念ながら死産でした。しかし、なんと12年ぶりの出産。なかなか動かないので交尾こそは確認できませんでしたが、環境に変化をつけようと空気を循環させるために室内に扇風機をつけた効果もあったようですし、排便後もお腹がへこまなかったという兆候も判りました。次回の繁殖につなげられる要素があり、今後の期待大です。
年末にはクモザルやワラビーが誕生しました。今年もかわいい赤ちゃんの期待できる動物たちがたくさんいます。動物の子育ての様子から学ぶことも多くありますよね。是非親子の様子を見に遊びにきてくださいね。

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