でっきぶらし(News Paper)

一覧へ戻る

« 165号の3ページへ165号の5ページへ »

165号(2005年05月)4ページ

動物園実習だより

博物館実習を終えて (東京農業大学 竹尾絵李子)

私は、ちょうど夏休みの期間に実習をさせていただいたので、夏のイベントをいくつか体験する事が出来ました。

実習初日が、ちょうど動物園の開園35周年記念日だったので、小学生以下のお子様を対象にした「輪投げ」や、ゾウやホッキョクグマ、ペンギンにおやつや氷、魚をプレゼントするという開園記念日ならではのイベントを多く体験させていただきました。

それぞれのイベントの準備という言わば裏方の仕事がどんなものかこれまで考えたこともなく、想像以上にやるべきことや、気を利かせなくてはならないことが多く大変な初日となりましたが、開園記念日という珍しいイベントをたくさん経験でき、予期していた以上に楽しく実習を始めることができました。

また、夏休みということで、小学4〜6年生のサマースクールの手伝いもさせていただきました。1回目の初日には、ケガをしていたため車椅子で園内を回ることになった生徒の車椅子を押しながら、1つのグループの小学生たちと園内を回り、動物の餌の食べ方や歯の構造の違い、それらから排泄される糞の違いなどを一緒に勉強しました。

それと同時に、動物園で行われるサマースクールなどの教育活動がどんなものであるかも知ることができ、また車椅子を押しながらということで、健康な私が普段では全く気づかなかったアップダウンやわずかな段差が、高齢者や障害を持つ方々には大きな問題になるのだろうということにも気づき、動物園を運営する側として、このような問題にも取り組むことの重要さもわかりました。

その他にも、「ゾウの糞で紙を作ろう」ということで、消毒して繊維状にしたゾウの糞で紙すきを行う方法を教えたりしながら、小学生と共に楽しい時間を過ごすことができました。

実習の後半は、飼育実習でした。6日間と言う短期間で、子供動物園、爬虫類館とペンギン・フラミンゴなど、熱帯鳥類館と夜行性動物館という、3つの班で2日ずつ実習をさせていただきました。

それぞれの場所が2日間ずつであったため、動物によるエサの種類や切り方の違い、掃除の方法をなんとか覚えた頃には次の場所に移動ということになってしまったのが残念でしたが、全く異なる3つの班で実習をさせていただいたことで、飼育という仕事にも、体力のいる仕事から細かい仕事まで様々であることを知ることができました。

そして、肉食動物には週に1度くらいの割合で絶食させるという、動物本来の生態を考慮した飼育がされていることに驚き、感心しました。

また、これまであまり注意深く見ることのなかった夜行性動物や爬虫類を間近で見て世話をしたり、性格が凶暴で触ることができないと思っていたレッサーパンダに、直接エサを手渡しで与えたり、飼育実習でなければできない経験をたくさんさせていただくことができました。

できることなら、すべての動物で1週間くらい実習をさせて頂きたいと思うほど、楽しい飼育実習でした。10日間という短い期間でしたが、動物園がお客様にとって楽しい場所であるためには、動物の飼育からイベントの企画や実施など様々な仕事があるということを、わずかながらも体験でき、学生最後の夏休みを有意義に過ごせたと思います。

最後に、この実習でお世話になった全ての職員の方々にお礼申し上げます。ありがとうございました。

« 165号の3ページへ165号の5ページへ »

一覧へ戻る

ページの先頭へ