でっきぶらし(News Paper)

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166号(2005年07月)1ページ

ペンギンプール リニューアル

動物園の人気動物でもあるフンボルトペンギンのプールが十数年振りに新しくなりました。といっても新しく大改造したのでわありません。

昭和44年の開園時最初のペンギン池が作られ、59年には一部が改築され21年が経過しました。最近ではプールの床面や側壁の塗装が徐々に剥離脱落し、週一回の定期清掃時にはプール水が濁ったように見えてきました。また、擬岩と床面の境に亀裂が生じ漏水も見られてきました。

そんな時、今年2月にホッキョクグマのプールも塗装の剥離、亀裂による漏水が著しいため、担当者をリーダーとして動物園職員一致協力により、20日間の日数を費やし見違えるように綺麗になりました。ポッキョクグマのピンキーはこの間屋外へ出ることが出来ず窮屈な思いを余儀なくされたが、プール塗装塗り替えが終了し外に出たその日は一番にプールに飛び込んでいました。この間来園者の皆さんにもポッキョクグマを見ることができずご迷惑をお掛けしました。

それから半年後、今年4月から新たにペンギンの担当をする事になった飼育員も是非ともペンギンプールもリニューアルし綺麗なプールでペンギンを泳がせてあげたいと着々準備を進めてきました。まず最初にペンギン一家の引っ越し、一羽一羽を捕獲し、標識の確認と再装着、個体登録証作成用の写真撮影、体重測定、健康診断と悪戦苦闘ようやくアシカの小プールに仮住まい。

ペンギンプールでは亀裂の補修、なかなか漏水が止まらずヤキモキ。床面は広い海原をイメージし水色、縁取りは地平線のまばゆさをと白色。斜面は奥行きを見せるため黒色にしましたが、観客側から見ると平面の奥行きが狭く感じ、逆に圧迫感さえ感じてしまい、再度水色に変更し一件落着。今回のリニューアルで「何かアクセントが欲しい」とわがままな上司が一言提案。

そこで年に一度の換羽期になるとペンギンたちは換羽のため泳ぎもままならずプールは閑散としてしまいます。そこでいつでも来園者が水中を泳ぐペンギンの姿を見ることができるようにと、プール底面にペンギンが泳いでいる姿を描く事になりました。素人が描くペンギンは決してスマートでなく、手直しを重ね何とかペンギンらしい型紙が完成。

底面に4羽、斜面で方向変換する1羽、計5羽のペンギンが新たに仲間入りしました。ペンキも乾き一変したプールへと引っ越し、ペンギンたちは何もなかったかのようにのびのび一泳ぎ、その光景を見ている担当者は大感激。ところが嬉しい事ながら困ったことが数日後に起こりました。来園者からプールの底にペンギンが沈んでいると連絡が入り、見に行くとそれは模写のペンギン、初秋の木漏れ日に水面が反射しいかにも底を泳いでいるかのように錯覚されたのでしょう。嬉しいような・・複雑な気持ちです。

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