でっきぶらし(News Paper)

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172号(2006年10月)6ページ

「夜の動物園」開催!

暑さも一段落して、秋の夜長をどのようにおすごしでしょうか?
さて皆さんもご存知かと思いますが、この夏8月19日、26日、9月2日に「夜の動物園」を開催しました。

実は当園では今から7年前の開園30周年記念事業のひとつとして、事前に申し込みをしていただいた方から抽選で当たった方(1回につき120名限定)に、職員が説明して回るツアー形式の「夜の動物園見学会」を行いました。これがとても好評だったので、その後毎年開催し、たくさんの方が応募してくださり、かなりの倍率となっていました。ツアー形式ですと人数も限りがあり、なかなか皆様の要望にお答えできる状況ではありませんでした。
 
そこでなんとかツアー形式から皆様が自由に園内をご覧いただけるオープン形式に変更できないかと平成17年秋から検討してきました。ご存知のように当園の園路は上ったり、下ったりと起伏に富んでいます。昼間はさほど気にならない所も夜ともなると、足元の安全に問題があります。また獣舎も夕方は動物を寝室に入舎させていますから、放飼場は真っ暗といった状態です。そこで「照明設備の充実」が絶対不可欠となりました。

まずは「夜間開園実行委員会」のメンバーが夜に園路を回り、必要な照明設置場所を検討することから始めました。内容が決まり、予算がついたことで今年の4月より急ピッチで園路や獣舎の照明設備工事が開始されました。飼育担当は展示をどのようにおこなっていくかを考え、照明の設置場所を入念にチェックしました。それと同時にリース対応の照明器具の検討も並行して行われました。

こうした照明のほかに「遊び心のある照明を作ろう」というプランが持ち上がりました。藤棚や足元のかわいい照明、お気づきでしたでしょうか?あれは熱帯鳥類館に植えている鉢植えの鉢を廃物利用したものなのです。仕事の合間や仕事を終えた後、動物のデザイン画を植木鉢に貼り付け、根気強くドリルで穴を開け、動物の形に灯りがもれるように作ったものです。さらに段ボール箱を細工してキリン舎からアリクイ舎までの道しるべを作りました。蛍光テープを使って、光る動物作りに挑戦した人もいました。

そして正面ゲートの花壇に電飾で色どられたキリンとゾウ、それに「NIGHT ZOO」の文字を浮かび上がらせることにしました。決めたものの普段の仕事をこなしてからの作業!夜な夜な眠い目をこすりながら作ったんです。本当にお疲れ様でした。さらに危険箇所は事故がないようにバーやコーンでふさぐことにしました。

そうこうして7月22日の試行日をむかえ、作業手順を各自シュミレーションして、本番に備えましたが、果たしてどのくらいのお客様が来て下さるかはその時点ではまったく予想がつきませんでした。
そうした中、8月19日に第1回目を開催しました。昼間は暑くて来園者はさほどではなかったのですが、夕方になるにつれて車の渋滞が始まり、売札所には長蛇の列となりました。

ゴールデンウイークと違い、夜2〜3時間という短時間に来園者が集中することは初めての出来事で、てんやわんやの状態でした。結局閉園を30分延長し、9時になんとか終了!この日の入園者は午後4時半以降で5502人、1日では7320人と大盛況でした。

1回目を終了して問題点を洗い出し、修正できるところは修正して、8月26日(第2回目)、9月2日(第3回目)を迎えることにしました。まずは渋滞解消が大きな問題だったので、さらなる臨時駐車場の確保を行い、シャトルバスの増発も行ったのですが、やはり渋滞は発生してしまいました。せっかくいらしてくださったのに入園できない方々には、シールをお配りし陳謝して、本当に申し訳なく思いました。また近隣住人の皆さんや用事で近隣に来られた方々には多大なるご迷惑をおかけしてしまいました。心からお詫び申し上げます。

さて、園内の様子を少しご紹介しましょう。正面入り口からお出迎えしたのは、ライトアップされた幻想的な雰囲気のフラミンゴたち。昼間は寝ていることの多いライオンたちは、涼しくなり歩きまわって迫力がありました。トラの赤ちゃんの寝室をのぞいてみるコーナーには長蛇の列ができました。

昼の状態になった夜行性動物館には皆さんびっくり。大にぎわいの子供動物園で動物たちとふれあった後、オートチェアで山頂に登ると、静岡市街が一望できるロマンチックな夜景にうっとり。アシカの親子が3頭で川の字になって寝ているほほえましい様子もご覧いただけました。

こうして行われた当園で初めてのオープン形式の「夜の動物園」について、来園者アンケートをとらせていただきましたので結果をご報告します。

入園者数    *はアンケートの有効回答数
1回目 日計 7320人(夜のみ5502人)
                  *110部
2回目     7344人(5219人)
                  *109部
3回目     7755人(5219人)
                  *138部 
合計 22419人(15378人)
                  *357部
満足度
楽しかった・まあまあ楽しかった
 1回目 106 
 2回目 105 
 3回目 132  合計 343
期待はずれ
 1回目 4   
 2回目 3
 3回目 4    合計 11
 
お住まいは
市内 1回目 83 
    2回目 86
    3回目 103   合計 272

市外(焼津・富士・藤枝など)
    1回目 27  
    2回目 21
    3回目 33   合計 81

県外(愛知・山梨・神奈川など)
    1回目 0    
    2回目 2
    3回目 2    合計  4

来年も「夜の動物園」に来たいですか?
  来たい 
   1回目 58  
   2回目 87 
   3回目 112   合計 257

  わからない・思わない
   1回目 31  
   2回目 20 
   3回目 26    合計 77

  わからない理由
 ・動物のふれあい時間などを、もっと余裕を持って案内してほしい。 
 ・夜だけの特典があればいい。 
 ・渋滞がなければまた来たい。
 
 「夜の動物園」で印象に残ったことは? 
 ・雰囲気がよかった。 
 ・手作りライトが素敵だった。 
 ・夜行性の動物達の生活がわかり、勉強になった。 ・動物が動いていた。 
 ・動物の目が昼間と違っていた。 
 ・職員の方々の工夫、サービスに触れてよかった。 ・夜景がきれい。 
 ・涼しかった。昼間より臭くなかった。 
 ・すごく混んでいた。
 ・もっと回数を増やしたら? 
 ・「フラッシュ禁止」をもっとPRした方がよい。 ・休憩場所が少ない。 

今回いただいたご意見を検討し、次回はもっと皆さんに満足していただけるように、スタッフ全員で頑張っていきたいと思います。
ご来園ありがとうございました。

(八木 智子)

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