でっきぶらし(News Paper)

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182号(2008年06月)2ページ

新しい命の誕生

この春も新しい命が続々と誕生しています。フライングケージでは、3月終わりから5月にかけてにツクシガモ、カルガモ、オシドリに赤ちゃんが誕生しています。しかし、雨が降り寒い日が続き衰弱し、ツクシガモ、オシドリの赤ちゃんは人工保育となってしまったので、今はカルガモの赤ちゃんしか見ることができないかもしれません。しかし、まだこれからたくさんの赤ちゃんが孵りますので、楽しみに待っていてください。

4月には、下の池にある島で生活しているジェフロイクモザルのペアに赤ちゃんが生まれました。今は、しっかりとお母さんのハートの胸に抱きついてたくさんおっぱいを飲んでいます。ジェフロイクモザルは、オマキザル科のサルで、メキシコ、ボリビア、パラグアイの熱帯雨林に住んでいて、野生では果物、種、花などを食べています。

ものをにぎったり、つまみあげたりすることのできる、器用な長い尾をもっています。尾の先の裏側には毛がなく、感覚の鋭い皮膚で指紋ならぬ尾の紋「尾紋」まであります。生まれたての子どもでも尾の巻きつく力は強く、自分の尾の先を母親の尾に巻きつけてお腹にしがみついています。

よくお客さんから「泳いで逃げないの?」と聞かれますが、島は彼らにとって大切な縄張りで安心して暮らせる場所なので、あえて嫌いな水に入って泳いでまで外に出る気はないのです。しかし、オスは、動物園の職員を見かけると非常に興奮し、自己アピールするために、わざわざ嫌いな水にも体半分位を沈めて気を引こうとします。

また、5月始めに、小型サル舎にいるシロガオサキ(オマキザル科)とエリマキキツネザル(キツネザル科)に赤ちゃんが生まれました。しかし、残念ながら初産のシロガオサキのお母さんは、生後9日目にして育児放棄をしてしまい人工保育となってしまいました。今は、動物病院で飼育員がお母さん代わりになってすくすくと育っています。

シロガオサキは、日本平、上野と日本モンキーセンターの3園でしか飼育されていない希少なサルです。まず、目につくのはお父さんの方だと思いますが、オスは全体に黒色で、顔面は白い毛で覆われています。メスは全身が茶褐色です。野生では、南米のアマゾン川の流域の森林で果実を主食として、ペアや3〜5頭で群れを作り生活しています。

エリマキキツネザルは、マダカスカル島東海岸の林に生息し、原始的な特徴が多く残っているため「原猿類」に分類されています。朝と夕方に活発に活動し、果物が主食ですが、木の葉や花なども食べます。

エリマキキツネザルには、クロシロエリマキキツネザルとアカエリマキキツネザルの2亜種がいますが、日本平にいるのは体毛が白と黒の2色のクロシロエリマキキツネザルです。毛は長く密で、とくに耳からのどにかけて「えりまき」のように長いため、この名前がついています。エリマキキツネザルの子供は、元気にお母さん胸に捕まっていますからご覧になることができると思います。


新しい仲間たち

シロフクロウの展示が、フラミンゴ池横のキジ舎(仮展示場)で始まりました。今回、2年後の猛獣館完成に先駆けて、オスはベルギー、メスは国内生まれの、どちらも2007年生まれの若い2羽がやってきました。ユーラシアや北アメリカ大陸の北極圏に広がるツンドラと呼ばれる草原、湿地、岩場などの開けた場所に生息し、小型ネズミ類を主な餌としています。

白夜のある北極圏に生息していることから、フクロウ類では珍しく日中でも活動します。メスは白地に茶色の斑点があり、成長した雄は全身が真っ白になります。これは狩りの時、氷雪の中でも目立たないためのカモフラージュになります。当園の雄は、まだ若いので茶色の斑点が残っていますが、猛獣館に移る2年後には、真っ白な美しいシロフクロウになっているでしょう。

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