でっきぶらし(News Paper)

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190号(2009年10月)3ページ

突然飼育員になって

この四月に動物園へ移動となり、子供動物園に配属されはや五カ月が過ぎました。

私の担当は、ヤギ、ヒツジ、アヒル。今まで動物園に来園して見学していた動物達を自分が飼育するなんて・・・今までの人生からはおおよそ想像もつかない生活の始まりです。
 
まさに右もひだりもわからない私を、飼育員の諸先輩方が情熱を持って指導して下さいました。その甲斐あって動物達との関わりにも少しずつ慣れ始めた頃、この班が担当する「幼児教室」が始まりました。子供達が小動物と触れ合う機会を持つことで、命の大切さ、ぬくもりや愛情を少しでも学んでもらえたらと考えられた企画です。

しかしちょうどこの頃、ヤギの出産ラッシュと重なりまさにパニック!!大変なところへ来てしまったなぁと改めて思い知らされました。それでも、そんな私のことなど関係なく来園者はやってきますし、動物達は生を育んでいきます。

「幼児教室」へ学びに来る子供達は、私が新人飼育員(年をくっていても)などとはつゆ知らず、瞳を輝かせて真剣に私を見つめて話を聞いてくれます。「どうしたら飼育員さんになれるんですか?」と、思いつめた顔をして訪ねてくる子供もいます。
 
そんな子供達のために一日でも早く胸を張って動物達の話ができるように勉強し、経験を積んでいこうと思っています。
(児玉 賢之)

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