でっきぶらし(News Paper)

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195号(2010年08月)1ページ

動物園再整備に向けて

 日本平動物園ではこの春に猛獣館299がオープンし、連日大勢の来園者でにぎわっています。動物園の再整備のため、これからも園内に次々と新しい施設が造られていきます。7月には、ふれあい動物園の施設「ふれあい館」がオープンしました。ふれあい動物園はこれまでの子ども動物園を引き継ぐ施設です。まだ第一期工事が終わったところで、このあと第二期工事がひかえています。
 その他にも新しい施設を造るために工事が続きます。旧クマ舎の跡地には新しい爬虫類館が建設される予定です。そのほか、フラミンゴ、ペンギン、アシカのプールがある場所にビジターセンター・新レッサーパンダ舎・新ペンギン舎が新たに作られる予定です。またジェフロイクモザルのいる池は全体が巨大なケージでおおわれ「水辺のフライングケージ」として生まれ変わります。
 新しい施設の工事中、いろいろな動物たちが別の場所に引っ越しをしなくてはなりません。
水辺のフライングケージになる池には小さな島があって、ここがジェフロイクモザル家族の住みかでした。ジェフロイクモザルは中央アメリカの森林にすむクモザルの仲間で、細くて長い手足、器用な尾が特徴です。手の親指は退化して指は4本しかありません。尾の先のおなか側に毛の生えていない部分がありそこが手のひらの役割をして、尾で木の枝にぶら下がったり物をつかんだりすることができます。
 クモザル一家の構成はお父さんのホープ、お母さんのハート、おととし生まれのお姉さんコハク、そして今年6月生まれの子供です。このクモザル一家は、工事のため島からの立ちのきを迫られました。7月12日、クモザル島にボートで上陸した職員たちは、手に手に網を持って一家を「保護」。クモザル一家はバックヤードという動物たちを一時収容するための建物に入れられました。島の上で気ままにすごしていたのと比べるとちょっときゅうくつかもしれないけれど、しばらくここでがまんしてもらうことになります。このバックヤードには子ども動物園からアヒルやガチョウたちも引っ越してきていて、ふれあい動物園2期工事が出来上がるまでここで暮らします。
 6月28日には、池の岸の住みかにいた、ニホンカモシカのリクとムーが長野県の茶臼山動物園へ出園しました。
 池の水中の住人にはたくさんのコイたちもいます。工事の為、池はいったん水が抜かれてしまいますので、このコイたちは園内にあるもう一つの池に移されることになりました。
 はたして池のなかには何匹のコイが住んでいるのでしょうか。
 6月22日にはアシカプールの住人だったオスのアシカのグリアンが千葉県の鴨川シーワールドに出園しました。
 カリフォルニアアシカのグリアンは1996年に鴨川シーワールドから日本平動物園にやって来ましたので、故郷に帰ったことになります。アシカといえばいろいろな芸をする動物として水族館のショーなどで人気者ですね。グリアンもエサをもらうときに、片方の前足のヒレを顔まで上げて敬礼のような仕草をします。鴨川シーワールドにいたとき教わったらしいです。プールに投げられたエサの魚にむかって、水しぶきをあげながら泳ぐダイナミックなグリアンの姿は、お客さんの人気の的でした。
 昨年5月に名古屋市の東山動物園に出園したメスのアシカのミディとの間には、たくさんの子供が生まれています。そのうちの何頭かは鴨川シーワールドに行っていますので、親子の再会を果たしていることでしょう。

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