でっきぶらし(News Paper)

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237号(2017年08月)2ページ

「見忘れてはいませんか?」

 猛獣館2階のライオン展示場の奥、小さな三角形のスペースでちょこちょこ動く3頭の動物がいることに、みなさんお気づきですか?ライオンを見終わってそのまま、3階のジャガー・ピューマを見に階段を上っているそこのあなた!少し奥まで進んでみてください、かわいらしい3頭に会えますよ。このちょこちょこ動くかわいらしい動物の正体は、前号の表紙の最後の方ですこ~しだけ登場しました、ミーアキャットです。前号でお伝えした通り、新しく仲間入りした「ウタ」と先住ミーア2頭、計3頭の最近の様子を紹介していきたいと思います。展示場リニューアルのため昨年の4月3日から今年の5月5日までの期間、猛獣館でのミーアキャットの展示はお休みしていました。その間、先住ミーアのオスとメスは、園内の動物病院で飼育されていました。新しく仲間入りした「ウタ」が姫路セントラルパークから来園したのは今年の4月24日です。先住ミーア2頭との対面を病院で済まし、すぐに新しい展示場に3頭そろってお引越しです。もともとの展示場は全面が土で、エサや水を置く台の上だけ屋根がありました。リニューアル後は、コンクリートの場所と砂場の場所に分かれていて、砂場の場所の上に大きな屋根を取り付けました。エサ・水を置く台は、以前に使っていたものを塗り直して使用し、ガラスの前に設置して採食の様子が目の前で見られるようになっています。

 朝一番、太陽が出て光が差し込んでくる頃、3頭の活動開始!地面や擬岩の上など、各々のお気に入りの場所で『ザ・ミーアキャットのポーズ』こと日光浴を始めます。太陽をいっぱい浴びて気持ち良くなった頃、今度はエサの時間です。飼育員がエサを置くと、大好物の馬肉に一目散に群がり、3頭の食い意地の張り合いが始まります。馬肉を食べ終わるとミーアたちは、まったりモードに突入!土の上で死んだように寝ていたり、岩の上で死んだように寝ていたり、ガラスの目の前で死んだように寝ていたり…とにかく「ミーアキャットさん死んじゃってる!!」と、小さなお子さんに間違われてしまうほどの体勢で寝ています。起きているときには、ライオンの放飼場が見えるコンクリートのところを行ったり来たり、たまに止まって周囲を確認し、また走り始めます。展示再開してすぐのときは、巣穴に隠れていることが多かったのですが、今ではほとんどの時間、巣穴の外にいる姿をご覧いただけます。放飼場に姿が見えないときは、観客通路に飛び出ている擬岩でできたボックスの中にいることが多いです。夕方はボックス内で3頭が身を寄せ合う、ミーア団子も見ることができます。

 遅くなりましたが最後に、個体の見分け方のポイントをお教えします。体全体が毛玉っぽく、ぼそぼそしているのが先住ミーアのオスです。体はわりときれいで(日によっては少しぼさぼさ)、お鼻がピンク色なのが先住ミーアのメスです。体がわりときれいで、お鼻がピンク色じゃないのが、新入りの「ウタ」です。見比べてみるとわかると思いますが、先住ミーア2頭と「ウタ」は若干色が違い、先住ミーアたちの方が気持ち色が薄めです。

 みなさん、猛獣館3階に上がる際にはご注意ください。ミーアキャットを見忘れていませんか?                      

(飼育係  中川 輝美)

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