でっきぶらし(News Paper)

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248号(2019年06月)1ページ

日本平動物園の出会いと別れ

 ようやく寒い季節が終わり、春がやってきました(記事は5月に書いています)。春は出会いと別れの季節といいますよね。動物園にも様々な出会いと別れがあります。
 ここではまずお別れのお話をしたいと思います。でっきぶらし246号でレッサーパンダの双子のまるおとまること母親のシーについて書かせてもらいましたが、この母親のシーが2019年の3月22日に天国へと旅立ちました。
 シーは2018年の7月に双子を出産し毎日子供たちに振り回されながらも一生懸命に子育てをしていました。そんな中子供たちが随分と大きくなった1月のある日、シーが展示室内で倒れてしまったのです。子育てによる疲労の影響なのか本当に突然の出来事でした。すぐに動物病院の集中治療室(ICU)に入りました。この時は治療の甲斐もあり、シーは数日ですっかり元気になり退院することができました。退院した後は大事をとって展示室にはあまり出ませんでしたが、子供たちのそばでゆっくりと過ごしていました。しかし、それから2カ月ほどしてまたもシーが調子を崩してしまいました。再度入院することになり、シーの容態は前回の入院時よりあまりよくない様子でした。最初は大好きなリンゴやサツマイモなども食べていたのですが、徐々に食欲が落ちていき3月21日には全く食べなくなりました。そして翌22日早朝に残念ながら静かに息を引き取りました。
 シーが亡くなったあとすぐにレッサーパンダ飼育棟に献花台が置かれ、数日もしないうちにお花でいっぱいになりシーがどれだけ愛されていたのかわかりました。私はレッサーパンダの担当になり1年と短いですがシーにはいろいろなことを教えてもらいました。シーには感謝の気持ちでいっぱいです。これからは動物園とたくさんの子供たちを天国から見守ってください。シー本当にありがとう!
 それでは次に出会いのお話をします!2月26日にオオアリクイの赤ちゃんが生まれました。日本平動物園では2014年に生まれたハヅキ以来になります。オオアリクイの赤ちゃんは生まれてすぐお母さんの背中の上で生活します。生まれた赤ちゃんも背中に乗っていたのですが、ある日背中から落ちてしまい人工保育に切り替えることになりました。現在は担当者の毎日の懸命な飼育のおかげで順調に成長しています。公開は未定ですが楽しみにお待ちください。

片野 孝太郎

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