でっきぶらし(News Paper)

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252号(2020年02月)4ページ

実習だより

 今回、4日間の実習で夜行性動物館、熱帯鳥類館、猛禽舎、中型サル舎、ダチョウ舎、エサの準備の体験をさせて頂きました。動物園で実習をするのは初めてでしたが、様々な話を聞かせていただき、とても楽しかったです。

夜行性動物館、熱帯鳥類館ではエサの準備と掃除が主な業務でした。エサはそれぞれの動物の好みや食べやすい大きさを考えて作っていらっしゃいました。最初は、切った順に餌をトレーに並べているだけだと思っていたのですが、種別に分けることによって、どれを食べているか確認し、個体の体調も管理していると聞き驚きました。掃除などの業務で個体を観察する時間が短くなってしまうからこそ、エサなどから個体の体調を管理する事が大切だと知りました。掃除の時もただ綺麗にするだけでなく、動物の退路を確保しながら、出来るだけ動物にストレスがかからないようにしているとおっしゃっていたのが印象的でした。これは、どの動物と接する時でも同じだと思うので、掃除の仕方はもちろん、動物の位置に対しての動き方もとても勉強になりました。夜行性動物館、熱帯鳥類館で特に印象に残っているのはルーセットオオコウモリです。まず、コウモリと聞くとアンモニア臭がきついイメージがありましたが、ルーセットオオコウモリは、主に果物などを食べているため、全く気になりませんでした。また、自然繁殖しているそうで、子供を抱えている親や、飛ぶ練習をしている子供がいました。コウモリは繁殖が難しいそうなのですが、自然繁殖が上手くいっているという事は、飼育環境が適切なのだと思うので、凄いと感じました。

猛禽舎では警戒心が強いという事で、掃除と餌やりの様子を見学させて頂きました。直接目を合わせると攻撃してきたり警戒してしまうそうなので、横目でみたり、檻の前から観察する事で体調管理を行っていました。特にコンドルは飼育員さんでも、一度攻撃して、自分の方が優位だと思うと、その後も攻撃してくるそうなので、特に注意が必要だと聞きました。飼育する為には、動物に舐められないようにする事も大切な事だと知りました。

中型サル舎、ダチョウ舎ではエサの準備、掃除をさせて頂きました。エサの大きさを個体に合わせるのはもちろん、サルには順位があるので、出来るだけ全員が平等に食べられるようにエサの場所をわけたり、細かくして散らばせたりといった工夫がされていました。お客様に紹介するのと同時におやつをあげさせて頂いたのですが、全頭に均等にあげるのはとても難しかったです。例えば順位の低い子に先にあげてしまうと高い子に横取りされてしまって上手くいかない事がありました。体調管理のために薬をあげたりするのに、狙った子にあげられるようにするのはとても大切な事だと感じました。
ダチョウ舎では暑さ対策で水をかけてあげる様子を見学させていただきました。とても気持ちがいいようで、うとうとしている様子がとても可愛く、ずっと見ていられました。あまりにも気持ちよさそうにするため、飼育員さんもなかなか止められないとおっしゃっていました。

エサの準備では、それぞれの動物が食べるエサの量を測って分ける作業や、検品をさせて頂きました。動物園にいる全ての動物のエサを分けるので量も多く、茹でたりする作業もあるため、効率良く実施することが大切だと感じました。特に検品作業は、動物の口に入るものを検査するので、とても緊張しました。毎日、持ってきてくださる業者さんなど様々な人の協力があってエサは用意されている事を感じられました。

最後に、実習を受け入れて下さった日本平動物園、担当して下さった飼育員の方々には感謝しております。短い実習期間ではありましたが、本当に様々な経験、お話を聞かせて頂き、とても充実した実習をさせて頂きました。動物園の本当の姿を少しでも感じられたかなと思います。何より、飼育員の皆さんが動物の事を1番に考えて、楽しそうに作業しているのが身近に感じられて良かったです。作業が上手く出来ず、ご迷惑をお掛けすることもあったとは思いますが、貴重な経験をさせて頂き、とても勉強になりました。今回の実習の経験を今後に活かしていきたいと思います。4日間、本当にお世話になりました。

(乾鈴華)

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