でっきぶらし(News Paper)

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252号(2020年02月)5ページ

ジョジョの入院生活

2019年12月3日、マンドリルのオス、ジョジョが死亡しました。大きくて派手な顔や体つき、人懐こい性格から、ファンも多い人気者でした。2017年12月には将来のお嫁さん候補のサマンサも来園し、同じ部屋で生活をする訓練を開始した矢先、ジョジョの体調に異変が現れたのです。

2019年2月、ジョジョが左後肢をかばうように歩いていると担当者から連絡が入りました。獣医師が確認に行くと、確かに左後肢に力が入りづらいようでした。投薬を開始しましたが、効果がなかったため、3月11日、麻酔をかけ、レントゲン撮影や触診を行いました。しかし、骨折もなく、原因は分かりませんでした。

3月14日、下半身に力が入らず、ジョジョが倒れていると担当者から連絡が入りました。麻酔をかけて病院へ運び、再びレントゲン撮影や採血を行いましたが、原因はやはりわかりませんでした。この日からジョジョの入院生活が始まりました。
入院当初、ジョジョは座ったり寝返りを打ったりと体勢を変えることが出来ましたが、次第に難しくなっていきました。また、後肢だけでなく、左前肢も動かなくなっていき、麻痺の進行が見られました。県外の施設へ赴き、MRI検査を実施したところ、脊髄に異常が見られましたが、それ以上のことはわかりませんでした。

麻痺の進行していく状況にあってもジョジョは元気で、食欲も衰えずモリモリ食べ、便の状態も良好でした。ジョジョには食べ物のブームがあるらしく、煮イモばかり食べる日があったかと思うと次の日急に食べなくなったり、「この業者の煮イモは食べるけど違う業者のものは食べないぞ」と業者選びを始めたりしました。人間の好き嫌いも激しく、注射やリハビリをされ痛い思い出のある獣医師は無論嫌っていましたが、他にも男性より女性を好んだりと、いくつかの条件によってランク付けしているようでした。病院で入院動物の飼育を担当している私は、どうにかジョジョのお気に入りのポジションを死守していたので、ジョジョのあまり好きでない野菜でも渡すと食べてくれていました。ジョジョは体を動かすことが出来ず、出来ることも限られていましたが、新しい遊びを考える天才でした。ある時は吊るしたタオルでいないいないばあのようなことをし、またある時は鼻を扉に押し付けてブーと音を奏でて遊んでいました。私が笑うとさらに激しくやってくれました。

そんな生活が8か月ほど続きましたが、11月の中旬から急激にジョジョの食欲が落ちました。唯一動かせていた右手にも力が入らなくなり、約2週間後の12月3日の夜、ジョジョは死亡しました。

体を自由に動かせず、イライラしてもおかしくない状況の中で、ジョジョは最後まで穏やかに、楽しみを見つけて過ごしてくれました。後日設置された献花台にはたくさんの花が飾られました。ジョジョがみなさまに愛されていた証だと思います。天国で可愛いお嫁さんを見つけ、一緒においしいごはんをいっぱい食べ、幸せに過ごしてほしいと思います。

(吉見綾音)

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