でっきぶらし(News Paper)

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255号(2020年08月)6ページ

病院だより

 みなさんこんにちは!動物病院飼育係の杉山です。実は今年の3月まではふれあい動物園にいましたが、今年度から病院の動物たちの飼育をすることになりました。動物病院での仕事は覚えることも多く大変なことも多いですが、とてもやりがいを感じています。ふれあい動物園にいる時と違い、なかなか人前に出ることはありませんが、エントランス付近で私を見かけることがあるかもしれません。

 さて、動物病院係というと、よく獣医だと勘違いされてしまうことがありますが、私は飼育担当なので動物の診察をしたり手術を行ったりすることはありません。私の仕事は、病院に入院してくる動物たちのお世話と、獣医さんたちのお手伝いです。なので、飼育員というよりは看護師のような感じです。病院に入院してくる動物は種類も症状も様々な理由があります。今回はそんな中から、ブラッザグエノンのユッケを紹介したいと思います。

 ユッケは中型サル舎で他の仲間たちと暮らしていましたが、今年の4月27日に病院に入院することになりました。入院の理由は、病気になったわけでもケガをしてしまったわけでもなく、一緒に暮らしていた父親のユウキとの関係が悪くなってしまったためです。また千葉市動物公園に出園することが決まったので、それまでの間、病院で過ごすことになりました。ユッケは病院に来た当初、環境が変わったからなのか部屋の隅で小さくなっていることが多く、エサもあまり食べませんでした。そのため、ユッケはおとなしくて臆病な印象でした。しかし、1週間経つと環境に慣れてきたのか、徐々に動きが出てきて、エサもよく食べるようになっていきました。そして、2週間経つ頃には最初に抱いた印象とは真逆に元気に動き回るようになりました。よかったと思う反面、少し困ったこともありました。それは、ユッケがたまにエサを置く台を倒してしまうことがあったことです。台がちょうど部屋の入り口をふさぐように倒れていて、掃除をするときになかなか部屋に入れず大変な時がありました。そんなおちゃめなことをすることもあったユッケは、5月26日に千葉市動物公園に元気に出園していきました。

 現在、日本平動物園でユッケの姿を見ることはできませんが、ブラッザグエノンの6等の群れを展示しています。1頭1頭個性があり見ている人を楽しませてくれます。ぜひ動物園にご来園ください!

(杉山 友祐)

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