でっきぶらし(News Paper)

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268号(2022年10月)7ページ

スポットガイド 6月19日 キリン

 6月19日(日)、キリンのスポットガイドを開催しました。コロナ禍でイベントを長い間自粛していましたので、キリンのスポットガイドは実に4年ぶりの開催でした。

 私は、生きている動物たちのお世話も好きですが、亡くなった動物たちを基に作成した骨格標本や剥製も好きでして、今回はキリンの骨格標本を見ていただきながら、とことん骨について好き勝手に語らせてもらいました。

 ガイドで多くの時間を割いて語らせていただいたのが「角」の話。みなさん、キリンの角の数はいくつだと思いますか?2本?3本?5本?わかりやすいのが頭のてっぺんに生え2本の角ですね。それと、おでこにある大きな瘤も角として数えます。この3つの角は、「皮骨(ひこつ)」と呼ばれていて、皮膚の中から生み出される骨で、頭骨とは由来が異なります。成長とともにこの皮骨が大きくなり、最終的に頭骨と一緒になるのです(癒合【ゆごう】といいます)。よーく骨を観察すると角と頭骨の境目があることがわかります。生きている姿では見つけにくいことも、骨にするとわかりやすくなる。これも骨格標本の面白さであります。ちなみに後頭部に小さめの瘤が2つあり、これも角と数え「キリンの角は5本」と紹介されることが多いですが、この後頭部の瘤は、他の3本と異なり皮骨ではなく、頭骨の一部が変形したものです。他の3本とは由来が異なるため、角としては数えないそうです(参考「キリン解剖記(ナツメ社サイエンス)郡司芽久」)。みなさんも「キリンの角は3本」とぜひ覚えてくださいね。

 ちょっと難しい話が続き、小さいお子さんのみなさんには退屈だったかもしれませんが、大人のみなさんの「へー。ほー」という感心していただけた声に勇気づけられ、次回以降も引き続き骨の話をしていきたいと思いますので、ぜひお付き合いのほどお願いいたします。

(山本 幸介)

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