でっきぶらし(News Paper)

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279号(2024年09月)3ページ

動物の遊び道具

 猛獣館299の3階では、ピューマとジャガーを飼育しています。同じネコ科でも、遊び道具を与えると、反応がまったく違うので驚きです。そして、遊び道具で遊んでいるときにも、動物の俊敏な動き、咬む力、ジャンプ力など様々な能力も見ることが出来ます。

今回は、4月からピューマ・ジャガーで試した遊び道具を紹介していきたいと思います。まずはピューマの展示場に・・プラスチックドラム(25L)の底に穴をあけ、消防の廃ホースを通し吊るしてみました。ジャガーは、3か月程で消防ホースを咬みちぎり、プラスチックドラムは咬んで穴だらけにしてしまいます。そのため何度か作り直しをしていますが、ピューマでは意外な反応でした。なんとプラスチックドラムにあまり反応せず、消防ホースをたま~にチョンと触っているだけでした。なんというやさしい遊び方でしょうか。まったく咬みません!ピューマとジャガーは、展示場が隣のため、ジャガーの激しい遊びをピューマが何度も見ているはずですが・・・。いや、きっと壊さないようにと、ジャガーの様子を見て反面教師にでもしたのでしょう!?

次にピューマの展示場に、消防ホースを使って、ジョリーボール(ゴム製)を1m程の高さに吊るしてみました。するとアルタイル(オス)の反応が良くベガ(メス)はオスに圧倒されボールに近づけません。立ち上がってはボールを咬み、休憩しては咬みを繰り返し、途中息切れもした後、頑張ってこぶし大ほどの大きさの穴をあけました。ベガは、アルタイルの粘り強さに惚れ直すとともに、穴が開いたボールを見て意気消沈したことでしょう。

今度は、ジャガーとピューマにダンボールを与えてみました。ダンボールを箱の形にして与えますが、ピューマに与えるとほぼ反応なしで、ダンボールの横を素通りです。ダンボールは、夕方になっても箱の形をキープしています。まさか、ダンボールの中にお宝が入っていないと気付かれてしまったかな?一方、ジャガーに与えるとダンボールを咬みちぎり、プールの中に運んだり、檻の上まで運んだりと四方八方にダンボールをちぎります。ちぎって、ちぎって、掃除が大変なのもぶっちぎりです。

最後に、プラスチックドラムの側面にジャガーが咬んだ穴を利用して、ダチョウの羽根を10本程さし、その上にコング(頑丈な犬用玩具)をのせ、ピューマの放飼場に置いてみました。羽根を猫じゃらしの様に遊んでくれるかと思いきや、羽根のにおいをくんくん嗅いだあと、むしり取っていました。鳥の獲物に見立てたのでしょうか。うーん、飼育員、気が利かず!部屋に戻ってからのエサを丸鶏にすれば良かったです!(いつものエサは馬肉になります)

おもちゃを与えた日は、寝室に戻ってご飯を食べたあと、すぐに眠たくなるのか、ウトウトしていることが多いです。秋の動物園まつりでは、ジャガーのダンボール遊びを予定しています(雨天時は中止となります)。どんな遊びをするか是非ご覧になっていただければと思います。

(中根)

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