でっきぶらし(News Paper)

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87号(1992年05月)9ページ

動物病院だより

 長い梅雨もどうやら終わりを告げ、いよいよ楽しい夏休みがやってきます。その後、お変わりありませんか。
 今年も七月二十二日からサマースクールが予定されていますが、たくさんの応募がありました。応募された皆さん全員に参加していただきたいのですが、こちらの対応できる限度があり、抽選することにし、一クラス五十〜六十名させていただきました。ハズれてしまったあなた、ごめんなさい。また来年応募して下さいネ。
 さて、この二ヶ月間をふりかえってみましょう。この時期は、ベビーラッシュという言葉がふさわしいはずなのに、まだラッシュという状態にならず、妙な感じです。フラミンゴ前の掲示板などにその時期ゝにあわせて佐野一成飼育課員が、写真を組みあわせているのですが、これもさっぱり…。
 そんな中で、六月九日ジェフロイクモザルが生まれました。担当の長倉飼育課員から「クモザルのオスが、赤ちゃんを抱いているよ。」と連絡が入りました。いそいでクモザルが飼育されている島に行って見ました。確かにオスが赤ちゃんを抱いていました。
 当園のクモザルの繁殖は今までうまくいっていませんでした。流産があったり、生んでもそのまま放ったらかしにされていたのです。今回のように息をしている状態で見られたのは初めてでした。
 しばらく様子を見ていましたが、メスの方へ子供がいく感じはみられなかったので、オスに麻酔薬を投与し、子をオスから取あげました。
 子は比較的元気で、体重は四百三十g、オスでした。名前は、六月九日に生まれたので「ムク」とつけられました。下痢が続いて心配されましたが、バナナなどを食べ始めた頃から良好となって、体重も順調にふえています。
 続いて六月二日には、行川アイランドよりシロガオサキのメスが来園しました。二月にオスが一足先に来園していました。検疫を済ませ、小型サルにて同居させてみたら、こちらの心配をよそに仲むつまじいこと、担当の松下飼育課員の話ですと、お互いに食べているものをほしがるとか。たとえば、オスがバナナを食べていると、寄ってきてほしがるそうです。ちょっとおもしろい顔だちですが、見に来て下さい。
 また、悲しいニュースもありました。六月二日、インドニシキヘビが死亡しました。このヘビは、昭和  年徳山動物園より来園しました。今は爬虫類館で飼育されていましたが、最初は子供動物園にて飼育されていました。
 あなたは、幼児動物教室てかサマースクールなどに参加されたことがありますか?その時、ヘビを首に巻いてもらってリ、ヘビといっしょにプールで水遊びをしたと思います。
 この時友達になったヘビが、初代の教習用ヘビ君、インドニシキヘビだったのです。
 死亡する前日、担当の後藤飼育課員よりこのヘビがいつもと巻き方が違うと言われたばかりでした。死因は肝、腸間膜リンパの腫瘍でした。今は二代目のインドニシキヘビが子供動物園でがんばっています。秋に「動物といっしょに記念撮影」が予定されていると思います。
 一度おでかけになりませんか?
(八木智子)

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