でっきぶらし(News Paper)

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107号(1995年09月)7ページ

動物の変身(鳥類編)【オオハナインコ】

 オスとメスの区別が容易、と言う点のみにおいては、コンドルとオオハナインコは見事に共通します。オオハナインコは、オスとメスとで羽毛の色が全く違うのです。オスは明るいグリーンで、メスは朱色です。
 そんな共通点があっても、変身する過程に関しては全くの正反対です。冒頭にも語ったように孵化したばかりとしばらくの間は親とは似ても似つかぬものですが、オオハナインコは違うのです。孵化直後はまだしも少し成長すればオスとメスの区別さえもすぐに付いてしまうのです。
 生まれたばかりは、丸裸です。でも、成長するに従って生えてくる羽にもう色が付いているのです。しかもご丁寧にオスとメスとで色が違って生えてくるのですから、誰だって間違えようがありません。
 当園での二例、まさにそうでした。鳥類の変身に次ぐ変身に驚かされ続けてきた私にとって、なんだか狐に化かされた感じもしなくはありませんでした。美しくも変身の味わいは乏しい、といえましょうか。
 インコ類の成長はたいていそうらしいのですが、ひょっとしたら例外はあるのかもしれません。鳥類にはあまり興味が湧かない方ですが、こと変身に関しては奥が深く興味の尽きないものを覚えます。鳥類の魅力の一端に触れた思いもします。
(松下憲行)

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