でっきぶらし(News Paper)

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72号(1989年11月)9ページ

あらかると【ワセリンはおいしい!?】

 冬に入り冷え込みが厳しくなると、ヒビ、アカギレ、シモヤケ等に悩まされる人がおりますが、私が担当しているオランウータンも例外ではありません。
 あらかじめ、ワセリン等を手のひらや足の裏にぬり込んで予防します。が、冷え込みが一段と厳しくなると、床がコンクリートであるからでしょう。歩く時に床につくかかとのところがどうしても割れてしまいます。ひどい時はそこから出血します。
 そうなると、ワセリンでは効果はなくなり、軟こうに頼らざるを得なくなります。ところが、樹上性の彼らにとって手足のべたべたする感覚がいやなのか、はたまたワセリンにしろ軟こうにしろたまらぬいい味がするのか、ぬり込む先から丹念になめ取ってしまいます。
 少しでも隙を見せると、ワセリンのびんに手を伸ばして指先にたっぷりとのせ、まるでハチミツでもなめるように食べてしまうぐらいです。
 これでは、いくらぬってもきりがありません。が、これ以上悪くならないだけでもましと、現状よりほんの少しでもよくなればいいと、春までこのイタチごっこが続きます。
 あんまりおいしそうになめるので、試しにどんな味がするのかワセリンを少しなめたことがあります。とてもじゃありませんが、ペロペロなめる彼らの気が知れません。
(池ヶ谷正志)

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