でっきぶらし(News Paper)

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72号(1989年11月)12ページ

実習をして 日本獣医畜産大学 今泉貴善【病院にいる動物のこと】

 病院での実習が始まり驚いたことは、病院の中で飼育されている動物達のことだった。僕は、園内で展示されている動物達の中で、病気やけがをしたりした者だけが治療を受けるために連れてこられ、治るまでの間、病院で飼育されているのだと思っていた。しかし、実際にはその数は以外と少なく、大半が静岡県内のいろんな所から、けがなどをしているところを保護され、連れて来られた野生動物であった。これらの保護された動物達は、病院で治療を受け、完治した後には、再び自然界へもどされるのである。僕は、こうして動物園には、野生動物の保護という我々市民にとって重要な役割を果たしているのだということを知ることができた。またそのような動物を見かけたら、すぐに連絡をしてくれる人々が非常に多いことを知り、とても喜ばしい気持になった。
 保護される動物で一番多いのは鳥である。実習期間中でも、毎日のように運びこまれていた。他にタヌキ、ハクビシンも多いようだ。春になるとこのような動物達で、病院の中はいっぱいになるそうだ。最近よく自然破壊が進んでいるという事を耳にするせいか、タヌキなどはもうあまりいないのではないかと思っていたが、それは間違いであった。まだまだいるのである。どうやら、僕が考えていたほど静岡県内では、自然破壊は進んでいないようであり、少し安心した。
 話をもどし、病院の動物についてだが、他には少数であるが、人間がペットとして飼っていて、どこかに捨てられていたのを連れてきたか、動物園付近で捨てられていたものがいた。主にニワトリ、ウサギなどであるが、時にはサルなどもいた。動物を飼うと決めた以上は、変な言い方だが、その動物が死ぬまでつきあう義務があると思う。これから動物を飼おうとしている人や、飼っている人には、そのへんのことをよく考えてもらいたいと思った。

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