でっきぶらし(News Paper)

一覧へ戻る

« 69号の4ページへ69号の6ページへ »

69号(1989年05月)5ページ

フライングの無法者【まさしくギャング・カモメ群】

 フライングケージで飼育されているのは、主にカモ類で、それにトキやツル類が続きます。そこで、更にバラエティに富まそうと、保護されて元気になったカモメ類が加えられたことがありました。オオセグロカモメ、ユリカモメ、ウミネコ等です。
 彼らは想像以上の悪食。魚類だけをおとなしく食べていればいいものを、カモ類の繁殖期には文字通りギャングと化しました。巣を荒らし、卵を奪い始めたのです。
 カモ類に恐れられ、飼育係に嫌われてはもういけません。「巣作りの邪魔をする奴は出て行け」といわんばかりに、あっさり追放の憂き目にあいました。
「ユリカモメはきれいだったんで、おいておきたかったんだけどなあ」は、ある担当者の弁。でも、ギャングはギャング、おける筈もありませんでした。
 考えるまでもなく、これは飼う側のミスです。本来が、そんな習性の鳥です。卵を奪う、ヒナを襲うが、朝飯前ならぬ、朝飯、昼飯。
 トウゾクカモメに至っては、腹いっぱいのカモメを見つけては襲撃。お腹にあるものを吐き出させて、それを喰っちまうのです。恐れ入ったの言葉以外、何があるでしょう。

« 69号の4ページへ69号の6ページへ »

一覧へ戻る

ページの先頭へ