でっきぶらし(News Paper)

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100号(1994年07月)5ページ

「でっきぶらし」百号記念特集 コンドルの人工ふ化

昨年に続いてコンドルがふ化しました。と言ってもふ卵器でですが、ハシ打ち(ひなが殻を内から破ること)から三日もかかり、担当者も手伝い、割れた穴を少しずつ大きくしながらどうにか誕生させることができました。
ふ化直後は、体はぬれていて赤い肌にうっすら白い毛がくっついているようです。頭は黒くて、体全体の割には大きく感じられました。
今回は、オスの特窒ナあるくちばしの上の肉鰍ェなく、どうやらメスのようです。体重は昨年のとそう変わらず、156.5gでした。ふ化後の半日はそのまま器内に入れておいて、その後はヒト用の保育器の中で育てています。
餌はヒヨコとモルモットの内臓や肉を細かく切って与えています。最初はピンセットで口元まで持っていって与えていましたが、すぐに自分で食べに口を持ってくるようになりました。
一日四回(一回量、五〜十g)食べたいだけ与え続けていると、みるみる内に体重は増加して一週間で35.5g増の192gとなりました。ところがここに問題、肢がその成長についてゆけず、左肢が内側に曲がってしまったのです。
そこでガーゼで枕をつくり、肢にプラスチック板をあてて矯正に努めました。一日四回与えていた餌も三回にして、餌の量も少しずつ増やしてゆくようにしました。
その介あってか、一週間後には左肢も完治しうまく歩けるようになってくれました。
十五日経過した六月三十日現在で、体重は378gです。ベージュ色の羽毛で被われ幼鳥は元気そのもの、餌も一日百g以上食べるようになっています。
(八木智子)(「でっきぶらし」18号より)

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