でっきぶらし(News Paper)

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56号(1987年03月)9ページ

動物病院だより

 園内はツツジ、フジが色鮮やかに咲き、いよいよ行楽シーズンといった感じがありますが、皆さんお変わりはありませんか?
 動物達もこの季節が一番生き生きしてみえるように思われます。そして園内のあちらこちらで赤ちゃんが誕生しています。
 まずは、キリン舎の前にあるフライングケージをのぞいてみて下さい。ここでは今年初めてカナダガンが3羽フ化しました。昨年もフ化したのですが、おとうさんはインドガン、おかあさんはカナダガンという組合せの為雑種ができあがってしまいました。そこで新しくりっぱなオスのカナダガンを仲間入りさせてみたところ、みごとに成功したわけです。
 ここではこの他に鮮やかな朱色をしているショウジョウトキ、まっ白なコサギ、やや青味がかかった灰色をしたゴイサギが、一つのしげみの中で抱卵しています。
 こういったいろいろな鳥達がいっしょに生活しているケージの中では、各々の鳥が、各々のなわばりをもって生活しています。よーく観察していると、巣の近くにやってきた鳥を追っぱらっている状況がみられると思います。
 さて、今園内で一番にぎやかな所はどこかと言うと、バーバーリシープ舎。ここでは、三月十七日、十九日、四月十日、十八日に赤ちゃんが生まれ、現在六頭の子供達が元気に飼育場の中をかけ回っています。
 続いて小型サル舎をのぞいてみると、三月三日にワオキツネザルが一頭、四月九日にエリマキキツネザルが三頭生まれ、いずれも順調に大きくなっています。この二種はキツネザルの仲間ですが、赤ちゃんの時の状態が少し違っています。というのは、ワオキツネザルの赤ちゃんは、生まれてすぐに母親の胸にしがみつく力がありますから、移動する時もおかあさんの体にしがみついたまま移動することができます。ところが、エリマキキツネザルは、しがみつく力がありません。ですから母親は、自分の体の中に子をよせて子が冷えないようにしてじっとしています。そして移動する時は、口に子をくわえて運んでゆきます。今のうちなら運んでゆく姿が見られるかもしれません。
 子供動物園では、ヤギの赤ちゃんが二頭生まれています。当園にいるヤギは白黒タイプだったのですが、昨年浜松市動物園からいただいたヤスの体色が茶色。子供にはしっかり茶色のワンポイントが入っていました。
 この他に、アメリカバイソン、ホンシュウシカ、タンチョウ、アンデスコンドル等が生まれる予定になっています。あなたも数?一度かわいい赤ちゃんを見に御来園下さい。
(八木智子)

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