でっきぶらし(News Paper)

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62号(1988年03月)7ページ

動物病院てんやわんや〜人工哺育抄〜◎ツチブタ、ピグミーマーモセット

 カンチョーしてはいけません。便秘に苦しんだツチブタ、ミルクの飲みも悪くなって恐る恐るやった結果、下痢は止まらず、腸粘膜のはく離まで招いてしまったのです。幼獣に浣腸してはいけないとは、常々の獣医の言葉、ツチブタの場合、体が大きくがっちりしているので、気をつけてやれば大丈夫では、との気持ちがあったようです。でも、みるみる内に見せた悔恨の色、幼獣を育て上げることのむつかしさを改めて思い知らされました。
 便秘といえば、4月13日に予定通りに生まれ、予定通りに人工哺育になった、第5章目のピグミーマーモセットに思わぬ苦労をさせられました。ふつう、ミルク便といえば黄色くてやわらかいのが当たり前です。前回だってやわらかい便でよく体を汚し、拭き過ぎた結果、肛門の上を切ってアワを喰ったぐらいです。
 その為でしょう。哺乳量が増えず、すっきりしない日が続きました。ピグミーマーモセットの人工哺育は3度目。私にとっては2度目ですが、つくづく100%はありえない。いつも苦汁を飲まされる思いにかられました。生まれた時の体重は13gから15g。最初に飲むミルクの量は0.2〜3cc、いくら経験を積み重ねてもちょっと自信はつき兼ますし、4度やれば4通りの違いがあるとの思いにかられるのは当然です。

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