102号(1994年11月)2ページ
オオガラゴ 今度も人工哺育
当園の夜行性動物館には、夜行性のサルが二種類飼育されています。その一つは、動作がとってもゆっくりなスローロリス、そしてもう一つは今回お話しするオオガラゴというサルです。オオガラゴはアフリカに生息していて、果実や昆虫、卵や小鳥などを食べています。スローロリスがゆっくり行動するのに対して、オオガラゴはピョンピョンと枝から枝へと飛び移り、同じロリス科の仲間なのに行動パターンはまったく違うのです。
当園では、オオガラゴを開園以来飼育していますが、繁殖にはいろいろ苦労しています。
オオガラゴは出産後、子を安全な場所にくわえて運び、そこに子を置いて自分は餌を食べに行きます。最初の出産の時、オスをそのまま飼育場に置いていたところ、子が食殺されてしまうという事故がありました。
その為、2回目は出産間際にオスをわけ、メスが安心して子育てのできる環境づくりをしたところ、大成功。無事成育してくれました。(この個体はメスでした。)
この個体が成熟し、平成2年12月に出産がみられたのですが、産みっぱなしの為、しかたなく人工哺育することにしました。親元で大きくなったのに・・・いや、初産だったから・・・といろいろ言い訳を考えました。
翌年3月出産→ダメ、平成6年5月出産、これも産みっぱなし、そして11月15日午前11時出産、しかしすでに子は死亡。そして午後1時半、もう1頭出産したのですが、今回も育てる気はなさそうなので人工哺育に切りかえ、現在担当者が母親がわりにミルクを与えています。
親元で大きくなり、オオガラゴとして生きる意識は充分あるはずと考えていた私達にとって、予想外の結果となりました。