動物が人気を博するのは、それは親子でいる時です。ふだん滅多に振り返られない動物でも、親子でいるとお客様の表情は一変します。
　でも、残念に思うことがあります。お客様が御覧になるのは、長い成長期のほんの一時の姿だけです。その後も見ようとすれば、足繁く動物園に通うしかありません。
　無理な注文です。とはいえ、何らかの形で伝えたいと思うのは、偽らざる気持です。変化する様子を私達の胸の中だけに留めておくなんて、実にもったいない話です。
　中には、親と子が一緒にいるからこそ親子だと分かる動物もいます。分けてしまえば、全く別の種類と間違えてしまう場合だってなくはないのです。
　そんな動物にスポットライトを当ててみよう、愛らしい子が変身する様子を語ってみよう、と思い立ちました。親と子の驚くほどの違い、その一端を垣間見て頂ければ幸いです。