でっきぶらし(News Paper)

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親と子、比べてみれば(?T)(動物の変身) ブラッザグェノンの巻

 ブラッザグェノンの隣の隣にダイアナモンキーがいます。こちらは最初に見つけた方は相当に感激されたのでしょう。月の女神(ダイアナ)なんて、ずいぶんしゃれた名をつけたものです。そこへ持ってゆくと、ブラッザの名は頂けません。最初の発見者、自分の名をそのままつけただけですから。
 私の偏見かもしれませんが、やや地味なものの、少々ずんぐりむっくりしたものの、美しさはダイアナモンキーにそうひけを取るものではありません。今更、格好いい名を望みようもないのですが・・・
 生まれたばかり、ダイアナモンキーの子は親よりうんと丸顔ながら、名前の由来の源である額の白い三日月模様はもうついています。親をミニチュアにした、それだけの感じです。
 ブラッザグェノンは違います。赤ん坊は親と比べるとずいぶん地味です。茶色と黒の間に灰色がかった緑の味わい深い毛模様は、おとなの証のような感じですらあります。
 さあ、その変化ですが、体格に関してはどういう訳か他園のと比してどうも成長が遅いように思われます。が、顔を中心にした毛模様の変化はそうでもないようです。
 それを主眼にして記録を撮ったりした訳ではないので、そこまで他園のと比べた訳ではないので、断言はできませんが、二年経つか経たない子の顔を見ると「あれっ、もう一人前に親と同じ顔になっていやがる。」と思うことが度々でした。
 かなり以前、推定ながら三才余りの野生のものと思われる個体が入ったことがあるのですが、体格はそこそこ大きくなりながらも、顔の毛模様は地味な色そのままでした。それと比べると、当園の個体の毛模様の変化はむしろ早いぐらいです。
 野生と飼育下では、ずいぶん食べるものが違います。動物園間でだって、ずいぶん違う場合があります。そんな違いが毛の色模様の出具合いに微妙な変化をもたらしているのかもしれません。
 

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