でっきぶらし(News Paper)

« 108号の6ページへ108号の8ページへ »

動物の仕草あれこれ?T(モンキー編)【サルの口がパクパク(リップムー

サルがいきなり早い動作で口をパクパクパク、これはいったい何を意味しているのでしょう。そうですね、この仕草をお客様に示すことはあり得ません。
サルと深く関わる中で、マカク類、すなわちニホンザルの仲間などが飼育係に敬意を表するようになると、パッと目と目があった時あたりにやるようになります。いわゆる相手の優位性を認めて、服従の意を示すのです。
当然、初対面のお客様にやりっこありません。無視です。それどころか、しつこくかまったり、からかったりすれば、「グアオッ、ガオッ」と、攻撃の仕草さえ見せるでしょう。それは、担当者以外の飼育係にも向けられる仕草でもあります。代番者か、あるいはほんの少し関わりを持つか持った者か、妙に顔を覚えられたりした者が、威嚇される対象になってしまいます。
特に担当者がそばにいる時にうかつにそこを通りがかったら悲(喜)劇です。゛ボス"がいると、景気づいてしまうのです。腹を立てて応戦しようものなら、オリをはさんでですが、すさまじく威嚇されてしまいます。
サル、特にマカク類は序列のきびしい社会です。オスであれ、メスであれ、順位はきちんと定められていますし、ボスの優位性は絶対で、それに従うことで群れの和が成り立っているのです。
飼育下にあたっては、日々面倒を見る担当者が自然と優位になってゆきます。彼らがそれを認めボスと思い込むと、服従の証としてリップムーブメント、口をぱくぱくするようになるのです。
代番者だって認めてもらえなくてはありませんが、それは担当者が休みか何かでいない場合に限っての話です。素直にいうことを聞いていいなと思っていると、突然に豹変、そんな場合はたいてい担当者の姿をどこかでチラッとでも見た時です。憎ったらしい!!

« 108号の6ページへ108号の8ページへ »