でっきぶらし(News Paper)

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動物を知る(?U)人工哺育編

 クロキツネザルの子が人工哺育されています。ほぼ離乳作業の終えていますから、されていましたと言った方がより正確です。
 一般には、このようなケースではどうしても技術的な疑問が生じてこようかと思います。ミルクの質と量、一日に何回、どれくらいの間隔で与えればよいのか、離乳時にはどんなものを与えればよいのか、などなどです。
 いくつかの経験を唐ワえてゆけば、それほどむずかしくない作業であることを知り安堵します。ですが、それがそもそもの落とし穴です。ヒト用のミルクを飲ませ、バナナですんなり離乳させたって、それで育つのは肉体であって、心まで育ちはしないのですから・・・。
 安易に同居させて、どれほど痛い目にあったでしょう。他園や動物商からやって来た個体での同居がうまくゆかないケースでも、行動を見ていると人工哺育で育ったのではと思えるのが度々ありました。改めて動物を育てる厳しさを思い知る一瞬です。

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