でっきぶらし(News Paper)

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あらかると 「工事で見たシャンティの性格」

 ゾウ舎の放飼場と裏側の土木工事が、2月1日より28日までの予定で進められました。ダンボとシャンティは清掃の時だけ外のパドックに入れ、清掃後は部屋の中での生活にさせるしかありませんでした。
 狭い部屋での生活、工事の騒音で、最も懸念するのはゾウがストレスがたまって荒れてしまうことです。パドック内に入れた時も餌を入れ、部屋の中にも乾草、わらを入れて、食べていることによってストレスが最小限度に押さえられるよう、一応の気配りはしました。
 しかし、お客様の多い時などは賑わう声が、特に子供の奇声はどうしても部屋の中で反響してしまいます。敏感なゾウにとって、それは私たちの想像以上に苛立たせていたかもしれません。それが原因でしょう。手前側にいるシャンティがお客様に向けて乾草を投げている行動が、監視カメラで確認できました。私たちの見ている前では従順で、そんなことをするゾウではありません。ヒトで言うニ重人格の一面を見せられたような気がして、これからは注意が必要だと思えてきました。
 工事のほうは順調に進んでいるようでした。私たちのほうも、放飼場の柵にペンキを塗り、プールの周囲の溝工事をやり、土を入れてきれいに改装して工事の終了を待ち、終わると同時にゾウを放飼場に出しました・・・。
 シャンティはまたたく間に、きれいにした砂を前肢で蹴り、後肢でも更に蹴り上げ、数秒で元の状態にしてしまいました。ストレスを最小限度に押さえたつもりでも、1ヶ月も部屋に閉じ込めていたのです。少しぐらいは大目に見ましょう。やっとふつうの生活に戻れたのですから。
(佐野一成)

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