127号(1999年01月)2ページ
オランウータン繁殖検討会 名古屋市東山動物園で開催
2月18日名古屋市東山動物園において、オランウータン繁殖検討会が開催されました。
オランウータンはワシントン条約で付表1に属する稀少種として、保護されている動物です。国内の動物園でも東山動物園が担当となって、血統登録がなされています。
登録が開始される以前は、32頭のオランウータンが飼育され、その後徐々に増えて昭和58年には79頭にまでなっていました。ところが、ここ数年相次いで繁殖に供していた成獣個体が死亡したため、増加がストップしてしまったのです。そこでこの会議では、今までの死因の分析や今後の人工繁殖(精液採取方法や交配適期の解明)についての検討がなされました。実際、当園のオランウータンも6年前に繁殖して以降、繁殖が見られていない状況なのです。実は第1子が生まれた後交尾行動がなぜか見られなくなってしまったのです。
現在オスのジュン、メスのベリーはいずれも16才と円熟期のペア、うれしいことに最近になって交尾行動も見られていますので、当園ではしばらく2頭にまかせて様子をみたいと思っています。