127号(1999年01月)4ページ
あらかると 「第2子を待ちこがれて」
オランウータンが第1子を出産してから、もう丸6年になろうとしています。が、なかなか第2子の誕生に至っていません。
ここ4、5年はどうしちゃったのかと思うほど交尾を見るのが数少なかったのですが、最近はちょくちょく見受けられるようになってきました。
そんな矢先、この冬の時期に・・・。基礎体温の表はベリーの場合、お手本のようにきれいな筈が、気がつくとずっと高温期を維持していたのです。日誌をさかのぼって確認してみると、交尾をした2日後よりずっと体温が高温期のままでした。
しかし、第1子の時はもうとっくに乳頭が大きくなっていたのに、それはなしです。とはいえ、前回がそうだから今回も同じケースを見せるとは限らないと、嬉しさ半分で日が過ぎていきました。
そんなある日、薬局に買い物に行った時、目に止まったのが妊娠検査薬。昨年出産後、紅白に涙の復帰をした歌手が、「私はこれを使用して妊娠を確認した。」とワイドショーのレポーターのインタビューに答えていたあの薬です。
これを買い求め、次の朝一番にベリーのおしっこを採取、試験薬にふりかけ待つことしばし。残念ながら結果はあの歌手のように陽性とはならず、陰性でした。
少し検査が早すぎたのでしょうか?数日後に少量の出血。生理か?と迷っているうちにベリーは体調を崩してしまったのです。食欲、動きはまったくなく、陰部より出た血痕は、生理にしては鮮紅色すぎないか?
原因不明の状況に苦慮していたところ、陰部より出血とともに肉片を排泄。病理検査の結果、それは胎盤とのこと。どうやら流産だったようです。
少しがっかりでしたが、5年間妊娠兆候が見られなかったので、流産とはいえ妊娠したのは喜びです。
最近は交尾も頻繁に見られていますので、次に期待したいと思います。
(池ヶ谷正志)