でっきぶらし(News Paper)

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シロサイのサイ太郎 悲しい死

 今から10年前、開園20周年を記念してオスとメスのシロサイが来園しました。いずれも白浜アドベンチャーワールド生まれで、オスは3才、メスは7才でした。
 早速皆さんから名前を募集し、オスには「サイ太郎」メスには「サイ子」という名前がつけられました。オスの「サイ太郎」はやんちゃ坊主で、放飼場にある柵などを角で壊したり、あの口で器用にボルトを外したりと、いたずらは絶えず、担当者は常にヒヤヒヤしていました。
 そんな彼が3月13日の朝、突然立てなくなってしまったのです。何が原因なのかわからず、血液検査をしてもこれといった原因がわかりませんでした。
 口元に餌をもっていくとすぐにもぐもぐと食べてくれ、排便もあり、彼の体の中でいったい何がおこっているのか、途方に暮れました。
 あの体重で座っている、それだけで体の下にはいってしまった足は血行障害で更に事態は悪化するのです。
 そこでチェーンブロックを使い、飼育係総出で何とかサイを立たせることにしました。ちょっとの間、自力で彼は立っていてくれましたが、じきにまた座り込んでしまいました。
 耳の血管から輸液を行ない、こうした状況が3日程経過した3月17日の朝6時過ぎに、残念ながら死亡してしまいました。死因は、出血性腸炎。そして大腸に砂が溜まっていたのです。放飼場が土であるため、こうしたことはある程度しかたのないことですが、今後は細心の注意をはらい、こうしたトラブルがないよう大切に飼育してゆきたいと思います。

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