でっきぶらし(News Paper)

« 131号の7ページへ131号の9ページへ »

一週間を終えて

           宮原 夕季
 
 動物園の飼育係になりたい私にとって、この一週間はとても意味のあるものになりました。
 飼育係の仕事は、動物の身の周りの世話がほとんどでしたが、それでも色々な動物の普段では見られない様々な姿が見れたので、短い期間でも沢山の事を知ることができました。中でも、ゴロンのすねた姿がとても印象に残っています。足の治療の時、いやだと担当の人や獣医さんがいてもしらんぷりで寝ころんで、大きいけれどまるで小さな子供のようで苦手だったゴリラがかわいく見えました。また、オランウータンのベリーの澄んだ綺麗な瞳に感動しました。私がベリーのほほに触れた時、ベリーが私の手にそっと触れてきました。ベリーの肌はやわらかく、瞳は穏やかで私の気持ちまでおちつかせてくれるようなそんな瞳でした。他にも、身近で感じた象の偉大さや、生まれて初めて触った蛇と亀、ヒョウ太の甘える姿やトシのあいさつ等、まだまだ沢山印象に残った事はあります。短い期間でも言葉の通じない動物の気持ちが少しでも感じる事ができない時が実習の中で一番つらかったです。
 私のこの一週間は本当に充実していました。けれど、それは私はまだ私自身で動物の命えをあずかる責任を持っていなかったという大切な事に気づきました。短い時間の中で、一言では表しきれない程の素晴らしい体験をさせて頂き、今、改めて飼育係になりたいと思いました。

« 131号の7ページへ131号の9ページへ »