でっきぶらし(News Paper)

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実習を終えて・・・【一週間を終えて】

宮原夕季
 動物園の飼育係になりたい私にとって、この一週間はとても意味のあるものになりました。
 飼育係の仕事は、動物の身の回りの世話がほとんどでしたが、それでも色々な動物の、普段では見られない様々な姿が見れたので、短い期間でも沢山の事を知ることができました。中でも、ゴロンのすねた姿がとても印象に残っています。足の治療の時、いやだと担当の人や獣医さんがいても知らんぷりで寝転んで、大きいけれどまるで小さな子供のようで、苦手だったゴリラがかわいく見えました。また、オランウータンのベリーの澄んだ綺麗な瞳に感動しました。私がベリーのほほに触れたとき、ベリーが私の手にそっと触れてきました。ベリーの肌はやわらかく、瞳は穏やかで私の気持ちまで落ち着かせてくれるような、そんな瞳でした。他にも、身近で感じたゾウの偉大さや、生まれて初めて触ったヘビとカメ、ヒョウ太の甘える姿や、トシのあいさつ等、まだまだ沢山、印象に残ったことはあります。短い期間でも、言葉の通じない動物の気持ちが少しでも感じる事ができない時が、実習の中で一番つらかったです。
 私のこの一週間は本当に充実していました。けれど、それは私はまだ私自身で動物の命をあずかる責任を持っていなかったという、大切なことに気づきました。短い期間の中で、一言では表しきれない程の素晴らしい体験をさせていただき、今改めて飼育係になりたいと思いました。

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