でっきぶらし(News Paper)

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動物園実習の感想 東京コミュニケーションアート専門学校 齋藤 綾子

私は4月8日から4月20日までの約2週間という短い期間でしたが飼育実習をさせていただきました。実習をさせていただくのは初めてだったので、初日はどうなるのかという不安と、憧れていた動物園の飼育ができるという期待でとてもドキドキしていました。そんな気持ちを持ちながら飼育が始まりました。

 1週目は熱帯鳥類館と夜行性動物館で鳥羽さんと渡辺さんに教えていただきながらの実習でした。午前中は餌作りが中心で、午後は掃除が主な作業でした。餌作りは、それぞれ動物に合わせて大きさや内容が決まっているので、その通りに作ることができず、午前中いっぱいかけて作り終わるという状態になってしまいました。餌を作ることも大切で大変なことだということが少しわかったような気がしました。掃除では動物の部屋を水で流してから床の水を切り、窓の水を切ってからぞうきんでふく作業をするのですが、その時に動物の居場所や動きを常に気にしながら掃除をするように言われたので、注意しながら始めてみると、知らない人間ということもあり、じっと動かずにこっちを見ていたり、飛び回っていたり、怒って鳴き声をあげてはりを向けてきたりと動物たちの様子が警戒しているようでした。そのことから掃除をするといっても気持ちの面でも注意しないといけないと言うことがわかりました。勉強になったことの他にも、聴くことのできなかった鳴き声を聴けたり動物園でしか見れなかった動物に触ることができたりと、とてもうれしい体験もできました。

 2週目に入ると今度は病院での実習でした。普段は遠くから見ることしかなかったので、ますますやる気が出て、そしてとてもうれしかったです。一日の作業の流れは、午前中のうちに掃除と餌作りを両方ともやってしまい、午後は2回目の餌作りをして終わりました。でも病院と言うことで、動物園にいる動物はもちろん、保護された野生動物もいて、思ったよりたくさんの動物がいて驚きました。掃除では鳥を担当させてもらったのですが、ここにはフクロウやウミネコ、アヒルの子供と他にもたくさんの種類がいました。やはり警戒していましたが、アヒルの子供は何日かたつと少し慣れてくれたようで、足元に近づいてきてくれました。うれしい瞬間でした。餌作りでは、ここでもそれぞれの動物の大きさや食性に合わせて作るのですが、量の加減や大きさをよく間違えてしまいました。でもいつも距離をおいて見ている動物に手から餌を渡せたり、その子の好物を知ることが出来てとても楽しかったです。他にも雛にミルクワームをあげることができたり、ペンギンやアリクイの赤ちゃんを近くで見ることができたりとうれしいことが沢山ありました。でもどうすることもできない辛いこともありました。それは、保護された野生動物のことで、昔は100件ぐらいだったのが、今では700件も保護されて来ることや、保護されてきても野生に帰ることができないと判断されると安楽死になってしまうということです。そんな動物を目の前にしてもしょうがないと思ってしまった自分がとても辛かったです。

 2週間を通してうれしいことや辛いこととたくさんのことを勉強させてもらいとても充実した実習だったと思っています。飼育を教えて頂いた鳥羽さん渡辺さん古村さん堀田さん少しですが話をした飼育のみなさん、とてもやさしくしていただいて本当にありがとうございました。

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