142号(2001年07月)8ページ
友の会コーナー
最近の新しくつくられた動物園やリニューアルされた動物園は「種の保存」を重視しています。しかし、皆さんにとって一番身近なのは、子供動物園やふれあいコーナーではないでしょうか。それなのに子供動物園やふれあいコーナーが重要視されることはあまりありません。今回、その辺について書いていきたいと思います。
3月に「こどもどうぶつえん勉強会」と言うものに参加しました。これは全国の子供動物園やふれあいコーナーの担当職員が集まって、意見交換をすると言うものです。全国と言っても主な人たちが私的に案内を出して出欠を取ると言ったもので、動物園又は担当者によっては、何ら興味を示さない所もあるようです。ちなみに、この時は25人ぐらいで園数で18園ぐらいでした。関東圏が主で遠いところでは福岡から来ていたそうです。ここで話を聞いて知ったことは、園内において低い立場に見られがちだと言うことです。扱っている動物がウサギなどの家畜が主であることから、配置されるスタッフは、女性職員、新人、アルバイト、臨時又は短期職員が多く、ベテラン職員が配置されることはあまりありません。(例外な所もあります。)短期間でありますが僕も子供動物園で飼育を担当したことがありました。確かに大型獣は少ないので力仕事も少なく、繁殖も難しくありません。しかし、ふれあいコーナーに関しては別です。力加減がわからず強く握ってしまう子供や地面に落ちてしまう子供、おもちゃと勘違いしているかのような子供達が沢山います。中には大人でも動物の扱い方を間違えている人もいます。触らせる時に扱い方を教えますが、安心して見ていられる子供は多くはいません。こんな中で担当者はいろいろと悩んでいるわけです。
「こどもどうぶつえん勉強会」の話しに戻しますと、「ふれあいコーナーにおける言葉の選びかた」ということを話し合いました。内容は「うさぎ」、「うさぎさん」といった動物の呼び方を何歳ぐらいで区別しているのか、子供に説明や注意する時、どのような区長で話すのか等、各園での話を聞きました。呼び方の区別など何気なくやっていましたが、いざ考えてみると今のままで良いのかなと思いました。注意もしかたによっては子供がそれ以降動物に触れることをいやがってしまうかも知れません。そのようなことを考えながら担当者は「ふれあいコーナー」にたずさわっているわけです。
ふれあいコーナーを見てて不思議に思うことがあります。それは家庭で動物の扱い方を教育していないと言うことです。2歳以下の子供がふぃれあいコーナーに来て動物を触ります。しかし、うまく扱えません。その時、大人はどうしているかというと、ちょっと離れたところで見ています。なぜ一緒に触ろうとしないのでしょうか。家庭で動物の扱い方を教育しないで、ふれあいコーナーに来て子供だけで動物を扱った場合、どのようなことになるでしょうか。他人の家のペットを傷つけた場合は問題になるけど動物園の動物なら大丈夫なのでしょうか。ペットを飼えない家庭もあります。それならば動物園で自分の子供に動物の扱い方を教えるべきだと思います。
こども動物園、ふれあいコーナーというと気軽に見られがちですが、その存在は計り知れないほどあると思います。動物園でも、その重要性再確認してほしいし、お客さんの立場でも何のために存在している場所かを確認してほしいと思います。
(土屋 博之)