でっきぶらし(News Paper)

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未確認生物紀行(1)

実は、初めて誰かに話すんですが、昔、遠い昔、私がまだ小学生だった頃、夏休みを毎年過ごしていた祖父の家の近くにある山の中で、奇妙なヘビの死骸を見ました。ずんぐりむっくりで寸足らずのヘビ・・・大きなトカゲの様なヘビ・・・手足の生えていないでっかいトカゲに似たヘビ。細い柿の木の根本で〈それ〉は呼吸を止めて間も無かったらしく、静かに横たわっていました。

 信じられない程、太く短く、やたらに大きな頭と反対に草の根っこの様に細く小さな黒い尾・・・子供心に呆然としたのを覚えています。恐怖すら感じました。いや・・・恐怖というよりは畏怖に近い感覚でしたが、小学生だった私にはどちらでもよいことで、とにかくコワイもんはコワイ!というより気色悪い!それまで見たことも聞いたことも何かの本で読んだ事もないヘンテコなヘビ(推定)がボテッと目の前に転がっている。正直、パニックになりました。で、瞬時に取った行動が〈それ〉に蹴りを入れること。少年らしいと言えばそれまでですが、その行為は更なるパニックの原因になっただけでした。ぶにょにょんっとした、円筒形のコンニャクの塊を蹴った様な異様な感触が爪先から脳天を駆け抜けた瞬間、私は声も出さずに祖父の家まで猛ダッシュで逃げたのですから・・・。

 〈あれ〉が何であったかは今となっては解りません。あえて、何かに当てはめるつもりもありません。ただ、あの日から私は、確実に、自分の周囲の生物達に対して強い関心を持ち始めました。それまで、ただそこに生きているだけだった生物達が、あの日を境にして『未知』の輝きを放ちだした、そんな感じです。現在私は、そんな体験もあって(?)動物と接する仕事をしていますが、その本業とは別に、もう1つ生物に関わる事をやっています。

 UMA(ユーマ)未確認生物の探求。
 何、アホらしいことやってんだ!という前に聞いてください。ゴリラもイリオモテヤマネコもシーラカンスも、元は未確認動物だったんです。見た!見間違えだ!いや見たぞやっぱり!よーししらべてやる!ありゃ何だ!おおおっ本当だった!本当にいたぞ!動物学は、この何でもとにかく疑う人間と、とりあえず何でも疑わない人間との壮絶なバトルの歴史に他なりません。
 これがUMA研究になるともっと凄い!

 UMAは大別すると、(1)以前はいたが現代は絶滅しているはずのモノ(2)現在でも生息しているが大きさや形態が異常だったり本来そのエリアには生息していないはずのモノ(3)伝説や神話の中に登場する本来は存在しないはずのモノ(4)何だかワケが解らない奇妙なモノ、の4つがゴチャゴチャしており、それらの実在を否定する人達と校庭する人達が入り乱れて収集がつかない状態になっています。

 そこで、「これから」私が独断と偏見でこの4つを何とか皆さんに許してもらえるレベルまで「紹介」しようと思います。えっ、これから?はい、だってコレ、一応連載ですから。アナタの好きなアレもコレも、嫌いなやつも、できるだけ出していきます。そんなのイルわけないじゃん?と笑う前に、イテもイナクテもどーでも良いモノなら、〈イル〉って過程するのも面白くありませんか?
 次回は、いきなりアレをやります!お元気で!

 次回につづく(と思う)
(長谷川 裕)

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