211号(2013年04月)4ページ
≪実習だより≫
私は、九月十一日から十三日までの三日間、日本平動物園でインターンシップ生としてお世話になりました。私は大学で経済学を学んでおり、動物に関することを学んでいたり、将来動物園で働くことを目指しているわけでもありません。そんな私が、日本平動物園のインターンシップに申し込んだのは、「動物園が好き」という理由だけでした。
動物園が好きで、色々な動物園によく行く私は、動物園の裏側はどうなっているうだろう?お客さんからは見えないところで動物はどう生活しているのだろう?という日頃の疑問を解決したいというわくわく感にも似た思いで応募したのですが、次第に、飼育員や獣医を目指しているわけでもない経済学部の大学生が、動物園のインターンシップに行ってしまっては失礼になるのではないか、と思い始めました。
しかし、インターンシップ当日、担当の方は、「将来に関係なくても、動物園が好きなら楽しんでいけばいいよ。」とおっしゃってくださり、飼育の合間に動物園を案内してくださいました。
私の担当の方は類人猿の飼育をされていて、私もそのお手伝いをさせていただけることになりました。内容は、エサ作りや檻の掃除、直接エサを与えることなど、いくら動物園が好きで何回動物園を訪れても絶対に体験できない貴重な経験ばかりでした。また、担当の方は、その動物の特性やその特性を考慮して日頃気をつけていることなどの話をしてくださいました。その中で、私は、私がこのインターンシップで行うべきことは「めいっぱい動物園を楽しむこと」だけでなく「まだ社会に出ていない自分が『動物園で働く人生の先輩』から、社会人としての仕事への思いや熱意を学ぶこと」だと感じました。実際に、このインターンシップの中で、自分の担当の動物を愛し、日々様子を観察して、気になる変化があれば、どうすることがその動物にとってよりよいかを常に考える姿勢や、動物という危険にもなりうる存在を扱う以上、檻の鍵を十分すぎるほど何回も確認し、絶対に事故を起こさないようにすること、きちんとあいさつや報告をすることや、お客さんを楽しませたいという思いなど、仕事への責任感や、当たり前のことを当たり前にするという意外と難しくなかなか出来ないことなどを肌で感じることができました。私が社会人になったときには、この三日間で感じたこれら「自分の仕事に対する責任を果たす」ということを活かしていけたら、と思います。
最後に日本平動物園のみなさん、三日間お世話になりました。本当にありがとうございました。
静岡大学 北村綾子