でっきぶらし(News Paper)

« 223号の3ページへ223号の5ページへ »

実習生だより

 こんにちは。先日お世話になりました、静岡大学の中野です。インターンシップに参加させていただいた感想とのことですが、どのようにまとめればよいのやらまったくもって見とおしが立ちませんが、脳みそをぎゅぎゅっとひねって絞って書かせていただきます。拙い文章ですが、よろしくお願いします。
 まず、インターンシップへの参加動機から入りますと、もともと行政の仕事に興味があり、また公務員志望でもあったため、静岡市のインターンシップ受け入れ先を探していたところ、動物園での募集を見つけました。私は行政がこのような施設を管理・運営することにどのような意味があるのだろうと興味がわいたため、日本平動物園でのインターンシップに参加したいと思い、応募させていただきました。実際に仕事にあたってみると、ヤギ舎や馬舎などの掃除・餌やりをし、一日中ほうきやホースを手に奮闘していたのでそのようなことを考えられる余裕は私にはありませんでしたが、その中で心から感じたことは生き物が「生きている」という実感でした。手を切りそうになりながら切った大量の固いサツマイモの数々をあっというまに完食し、何時間もかけて掃除した床の上に馬を入れれば5分と経たないうちにフンをし、呆れを通り越してむしろ感心するほどでしたが、食べたら排出するという、この単純な繰り返しこそが生きているということである、と気付いたときはなんだか感慨深いものがありました。
 …というのは半分ほど建前で、本当は幼稚園に上がる前くらいに日本平動物園に来た時にひよこを抱っこしたことがあり、その時のそいつのあったかさとか、足の爪の痛さとかがずっと忘れられなくて、インターンシップの要項を見たときに「作業内容:動物の飼育」という文言を見て、これは絶対うさぎとかひよことかひよことかひよこのところに3日間いられるんだ!!!!!!と思い、舞い上がってその勢いだけで応募しました。行ってみるとひよこと戯れる時間はほとんどなく、ヤギや馬のうんこと格闘してたわけですがそれでも毎回ひよこを出したりしまうときはこれ以上ないほどの至福というものをかみしめていました。
 ただ動物を見てかわいい~と近づいていって一時遊ぶのは楽しいですが毎日生き物を相手にするのはとても大変なことだと感じました。3日間だけではその大変さというのはわずかしかわからないとは思いますが、それでも来園者として見に行くのと仕事として扱うのとでは動物に対する思いも変わってくるのだと実感しました。
実際行ってみた感想は、一言で言うと「本当に大変」でした。朝1コマの時間よりもはるかに早い時間の電車に乗って駅から自転車で山登りして1日の作業にあたる-というのは、日々机に向かって授業受けたり寝たりしている大学生にとって、体力的に本当にしんどかったです。特に腰と膝にきます。日頃いかに自分が怠けているか、社会がどれほど厳しいものかそんなところでひしひしと感じました。
 また今回担当してくださった飼育員の方々にお礼を言いたいです。気さくにいろいろ話しかけて下さって嬉しかったです。みなさんのおかげで本当に楽しく実習させていただきました。本当にありがとうございました。(あのあとまた動物園の方に遊びに行かせてもらいましたが、残念ながらお会いすることはできませんでした。)
 今回の実習で学んだことは、自分の学んできた領域とはかけ離れた仕事でも、意外な発見や学ぶことは多いということです。どんな仕事でもつらいことと楽しいことがあると思いますが、その中で自分を磨くことができるようにしていけたらいいな、と思います。これまでの自分の固定観念にあまりとらわれず、広い視野で物事を見据えて進路の選択をしたいと感じました。本当にお世話になりました。もし受け入れてくださるのであればまた行きたいです。

静岡大学 中野 佐和子

« 223号の3ページへ223号の5ページへ »