234号(2017年02月)7ページ
スポットガイドだより「12月18日 アクシスジカ」
でっきぶらしをご覧いただいている皆様は、日本平動物園でシカを飼育しているのをご存知でしょうか?4年前にリニューアルオープンした新草食獣舎でワラビーとバーバリシープと並んで展示されています。日本平動物園で見られるこのシカは、奈良公園などでみられるいわゆるニホンジカではありません。アクシスジカといって、インドなどに棲んでいる南方系のシカの仲間です。ニホンジカは、季節によって夏毛(斑点模様がある)、冬毛(斑点模様がない)と生え代わりますが、アクシスジカは1年中、体にある綺麗な白い斑点模様がみられます。たまに小さなお子様たちから「かわいい、バンビ(仔鹿)がいる」と言われることがありますが、いえいえ2頭とも立派な大人なんですよ。
今回のスポットガイドでは、普段なかなか脚光を浴びることのないアクシスジカのことをよく知ってもらいたいと思いガイドに臨みました。まずガイドで紹介したのが、彼らの食事風景です。園内で取ってきた椎の葉っぱを与えると喜んで食べるのですが、ちょっと意地悪をして、椎の枝を高く持ち上げ、首を伸ばしただけでは食べられないようにしました。するとシカたちは前脚を地面から離し、後ろの2本脚だけで立ち上がり、高いところの葉っぱをくわえました。これぞ「立つレッサーパンダ」ならぬ「立つアクシスジカ」。動物たちの食事風景は、アクシスジカに限らず動物たちの意外な生態を発見できる機会です。
食事風景の後には、シカの角の生え代わり方を写真を使って紹介しました。角が生え代わるとき片方の角だけが残っている写真や、角が抜けた後から植物の芽が生えるようにニョキニョキと角が成長する様子などを参加された皆様にご覧いただきました。今は立派な角があるオスも、今号が発行された時にはもう抜け落ちてしまっているかもしれませんね。
(飼育係 山本幸介)