263号(2021年12月)5ページ
ネーミングセンス
ふれあいでよく見かけるモルモットたち。その『なまえ』に注目されたことはあるでしょうか。動物種によりますが、名前を付けることも飼育員の仕事の一つ。カワイイだけじゃつまらない!なにかひとひねり欲しい!そんなモルモット担当者の名付けエピソードを5つ、紹介したいと思います。
まず、体がベージュ、顔が白と黒の女の子。全体を眺めているとなんだかあの和菓子に見えてくる。そう、たい焼きです。顔の黒色はあんこに見えるぞ!そうしてすんなりと、『たいやき』に決まりました。順調な滑り出し。
お次は白と茶色の女の子。見た目はゴールデンハムスターそのもの。そのため、最初は『ゴルハム2号』と名付ける予定でした(先住モルに1号がいたので)。ですが、なんだかしっくりこない…。その時、隣で一緒に見ていた先輩飼育員が一言。「横から見ると模様がシマシマだね。」その瞬間、あ…!それだ!いたってシンプル、結局そのまま『シマコ』と名付けました。
続いて白とグレーの巻き毛の男の子。う~ん、こちらも難しい。悩みに悩んでいると、先輩飼育員がまたまた一言。「横断歩道みたいな色合いだね。」そこで私はピンときた!横断歩道=渡るもの。ということで…『ワタル』と名付けました。
続いて3色長毛の女の子。この子はほかの個体とは少し違って、毛が長いのが特徴です。毛並みが非常にオシャレ。ですが、見た目は動くモップ。見れば見るほど動くモップ…。こうして、おそうじ道具といえば!の『クイックル』と名付けました。
最後は白とグレーの女の子。この子の名前を考えるのには一苦労。かかった時間は実に半年以上。模様や母モルモットの名前など、色々な角度から考えますがなかなかしっくりくるものに出会えません。悩んだ末、グレーの毛色が黒はんぺんに似ていたので(静岡名物ですし、ぴったりだ!と思い)『はんぺん』と名付けました。なんだ、悩んだわりには普通の名前じゃないか。しかも普通にカワイイ名前…と思った方。そのとおりです(苦笑)時には独特なセンスだよねとかヘンテコな名前!と言われてしまうこともありますが、担当者にとっては褒め言葉。このような感じで、楽しく愛情と想いを込めて名前を付けているのです!
さて、みなさん、この記事に書かれている子たちは一体どんな色、柄なんだろう…?とそろそろ気になってきた頃でしょう!すでに想像している方はぜひ、ふれあいが再開しましたら、答え合わせをしに!そうでない方もここで紹介した5頭を探しにふれあい館へ遊びに来てくださいね!個性あふれるモルモットたちに自分ならどんな名前を付けるか、考えてみるのも面白いかもしれません。
(大江 純子)