でっきぶらし(News Paper)

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実習を終えて 静岡大学 亀井玲子

実習は、12月18日から12月28日、中2日休みで、9日間にわたった。前半6日間は、とまどいと混乱とあせりも手伝って、仕事を覚えるのに精一杯であった。後半3日間は、仕事にも慣れ、一人でまかされることもあった。余裕が出てきたのだ。それまでは夢中で気がつかなかったことにも、目が向くようになってきた。
「仕事も、慣れてしまうとおもしろくないでしょう。」と聞かれて返答につまった。自分の仕事を精一杯していたから、おもしろいとか、おもしろくないとか、わからなかったからだ。
この実習の当初の目的は、動物も植物も同じ生き物として、その扱い方を学ぶところにあった。「植物を手がける人間が、どうして動物に興味を持たなくてはならないのか。」という教授の言葉に反発するような気持ちもあった。何か見つけだしてやるという気持ちだった。
植物に対する興味がどうしても沸いてこない。植物の管理育成がどうしておもしろいのだろう。動物の方が興味深い点があった。こちら側が手を加えることに、即時反応し、私の働きかけに対する答えが返ってくるところに魅力を感じていた。
ところが、実習を終えてみて、自分の期待しているような反応など得られず、さらに、自分に返えってくるものを期待して仕事をすればする程、むなしくなっていくことがわかった。あくまでも、動物は動物なのであり、私のペットではなかったのだ。自分と動物は独立した別々のものであると考えていなければならないとわかった。少なくとも、動物園ではそう思うことが必要なのだ。
私は、この短期の実習でこのような結論を出した。自分なりに考えた結果であって、今後これがどのように変わっていくか、又動物園の方々がこのようなことを感じてみえるかどうかは、わからないところである。実習は終わってしまったけれど、私と動物園の結びつきは、まだまだこれから深まっていくであろうと思われる。

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