27号(1982年05月)3ページ
子供動物園
動物園の役割は、レジャーの場、社会教育の場、動物研究の場である事と、広く自然保護に協力することです。今回は、前号でとりあげた社会教育の場として、子供動物園の果たす役割について、ふれてみたいと思います。
子供動物園の目的は、テレビ、図書等による視覚からではなく、彼らに本物の動物に接する機会を与える事により、動物愛護の精神を、子供たち自身の体験から得させようとすることです。
子供動物園にいる、おとなしい動物は人間同志で考えると、弱い仲間に通じることになります。つまり、動物愛護は、人道と通じることになるのではないでしょうか。動物を可愛がる心を養う事により、弱い友達をいたわる心が養われます。しかし、弱い動物を可愛がる行動は、ときとしていじめる行動に変わることがあります。このいじめて喜ぶ心理を排して、弱者を愛することにより、快感を感ずるように習慣づける為には、幼い時から、動物を通じて指導してゆかなければなりません。
そのような観点から、子供動物園の果たす役割は、大きな物があると思われます。その機能を発揮する為にも、この場を通じて多くの方々に、その役割について、認識を深めていただけたら幸いです。