27号(1982年05月)9ページ
動物病院だより
4月より昭和57年度スタート!
昨年度は、マサイキリン、レッサーパンダ、トラ、オランウータンといった大物が死亡してしまいましたが、数では例年に比べて少なく、又出産数も少なく現状維持の年でありました。しかし、これらの死亡した動物達に対しての治療面で、まだまだ悔いが残っており、今年は少しでもそうならないよう努力しなければと思っております。
今月の主なできごとは、アメリカバイソンのオス(ラッド)の死亡であります。基底細胞癌という一種の皮膚癌と診断し、手術を2回実施したが、効果もなく見守ってきました。解剖の結果、10〜15cmも皮膚の下が癌に犯されており、我々が行ったのは、そのほんの一部の切除にすぎなかった事を知り、病気の進行のすさまじさを見せつけられた感があった。
3月9日に、病院で産まれたワオキツネザルの仔が順調に成育し、このごろ親から離れて、青菜などを、なめるしぐさが見られるようになってきました。仔は、メスのようです。
今月の野生傷病鳥獣の保護収容は、ゴイサギ、アオサギ、タヌキ、アマサギがありました。これからが多く保護される季節です。スズメ、ツバメなどのヒナは、どのくらい今年は保護され、放鳥できるだろうか!