27号(1982年06月)1ページ
飼育
野生動物は、家畜と違い非常に種類が多く、動物園ではその一部を飼育展示しています。
これらの動物は、アフリカ、アジア、アメリカ大陸、あるいは極地周辺等の世界中から集められて、市民の憩いの場として楽しませてくれています。この動物を飼育していくのには、どんな動物であろうと、その動物に対する知識を深め、愛情がなければ十分な飼育をすることはできません。
家畜と人間とは、何千年前も昔、有史以前から共同生活をしてきましたが、野生動物を飼育した歴史は短く(日本では、上野動物園が一番古く、今年100周年を迎えた。)必要な知識は、まだまだ十分なものとは言えません。
家畜に関する知識は、専門学校で学ぶことができますが、野生動物を飼育する為の知識を習得するには、家畜飼育学とは別に、自分の体験・先輩の指導・他園との情報交換等で、学んでいかなければなりません。
その為、動物を飼育する者は、自分の担当している動物の習性・生理・生態等を十分観察し、研究していくとともに、他園との交流を深め、なお一層、高度の技術・知識を吸収し、活用する事が大切ではないでしょうか。