124号(1998年07月)1ページ
レッサ―パンダの繁殖は幻に・・・
当園のレッサ―パンダは平成 年よりシンシンとミミの♂1♀1の2頭飼いをしてきましたが、なかなか繁殖が見られませんでした。そこで、一昨年の2月に釧路動物園より♀1頭(名前はカアサン)を借り受け♂1♀2の飼育が始まりました。
そして今年の3月にシンシンとカアサンの間で交尾が見られ、担当者も楽しみにしていました。定期的に体重を測定してみたところ、徐々に増加しており、外見的にもポッチャリしたような感じで毛づやもよくなった気がして、「2世誕生」への想いがふくらみました。
産箱も用意し、毎日期待と不安が入り混じった気持ちで観察を続けてきましたが、出産時期とされている6月末、7、8月とアッという間にすぎてしまいました。どうやら今回は空振りに終わってしまったようで、ガックリ!
こうした中、国内の動物園や大学の人たちが集まって、「人工繁殖検討会」が発足しています。この会の中に「レッサ―パンダプロジェクト」をつくり、血液や糞を使って性ホルモンの動向を調べ、性周期等を調べ始めています。
広島市安佐動物公園では、凍結精液を使って人工授精が行なわれ、今年7月にチンパンジーの赤ちゃんが生まれています。
近い将来、稀少種であるレッサ―パンダもこうした形ででも種の保存が図れるように、ただいま模索中です。