105号(1995年05月)9ページ
あらかると 「おんぶにだってふうふう」
人工哺育していたオランウータンのジュリーとチンパンジーのジーコは順調に成長し、現在二才半と三才になります。天気のよい日は、子供動物園の展示場で御覧頂けます。
さて週に2、3日は、ジュリーを胸に抱き、ジーコはおんぶをして子供動物園と類人猿舎を往復する訳ですが、二頭共に体重は13kg前後になっています。時間にすればわずか5分もかからないところながら、それが結構きついんです。
ジーコの場合はおんぶをすればリュックをしょっているようなもので、そう重いと思わないのですが、ジュリーは胸に抱くのでまともに重さを感じます。
おまけにジュリーは、足はしっかり私の体をつかんでいるのですが、両手は時々離して通りかかるお客様や木の葉に興味を示してはつかもうとします。それが余計に体重がずっしり、重みを感じてしまうのです。
子供動物園へ向かう道は、階段や坂道や勾配のきつい道程が続き、腰痛持ちの私にとっては二頭を連れてゆくのはびくびくものです。更にはひざも悪いので、二頭の体重プラス私の体重で百kgを超える重さをそのひざに受けるわけです。正に我慢の道程です。
しかし、もう少しの辛抱です。チンパンジーのジーコの婿入り先が決まったのです。後はジュリーになんとかおんぶを教えて、往復時の体にかかる負担を少しでも軽くしてくれるのを願っています。と言いつつ、一抹の寂しさも覚えますが・・・。
(池ヶ谷正志)