１５８号で掲載しましたオランウータンのジュン（オス）と京都から来たキャンディ（メス）のお見合いは、その後も続いています。
１０月中頃に、２回目の同居を行いました。しかし、キャンディがケガをしてしまい、ジュンがその傷口にしつこく興味を示し、１時間近くもいたずらする始末。これ以上見合いのための同居を続けても傷の悪化が増すばかりと判断し、同居を打ち切って傷の治療に専念することにしました。幸いキャンディはおとなしく治療をさせてくれましたが、精神的ショックの方が大きかったと見え、生理が止まってしまいました。傷が治っても生理が回復せず、結局生理が戻ったのは３クール目（キャンディの生理周期は１クール２８日）でした。
傷も治り、生理も回復したので、心身共に大丈夫だろうと、年が明けた正月早々の６日に３回目の同居を決行しました。過去２回失敗した時に比べると、それまでは逃げまわっていたキャンディも５分ほどで騒ぐのをやめ、しばらく静かな時間が過ぎ、また少し抵抗して騒ぐ、という感じでした。小さな傷はできたもののジュンもさほど傷には興味を示さず、良い感じ。このままずっとこのくらいの感じでいけば、そのうちキャンディも抵抗して騒ぐこともなくなるだろうと思いました。というのも、過去２回は同居４日目になると大きな傷を作ってしまい、それがもとで見合い中止になってしまっていたからでした。
今回は魔の４日目を過ぎ一安心したのもつかの間、６日目に前回と同じ様な状況が起こってしまいました。ジュンが傷に興味を示し始め、また同居は中止となりました。しかし、傷は過去２回に比べると軽く精神的ショックも少なかったようで、５日ほどで以前と変わらぬ様子で私達に接してくれています。　４回目のお見合いは、暖かくなってからになりそうな気配です。ジュンはそうひどいことをするタイプではないので、なんとかキャンディが心を許してジュンに身を任せてくれれば見合いも成功すると思うのですが。２頭が放飼場で仲良く過ごしている姿を、一日も早く皆さんに見てほしいと思っています。
（池ヶ谷　正志）