175号(2007年04月)6ページ
【動物園実習だより】 学芸員実習を終えて
大東文化大学 鈴木 沙弥香
私は今年の夏、日本平動物園で10日間の学芸員実習をしました。どんなことをするのだろうと、期待半分不安半分といった気持ちで望んだ実習ですが、短い時間の中で動物園のいろいろな面を見ることができました。
私がやったことは、パワーポイントを使って園内のポスターや看板を作ったり、「キリンに葉っぱのプレゼント」など様々なイベントの手伝い、動物の赤ちゃんの名前募集の紙の印刷やその集計などです。
他にもいろいろありますが、その中でも印象に残っているのは、こども動物園でのことです。
ここで土日に行われている「小動物とのふれあい」というイベントでは、子供たちがウサギやモルモットなどを触ったり、抱っこしたりすることができます。そして、その場を任されているのはボランティアの皆さんです。
ここではまず、子供たちに抱っこの仕方や注意点を話してから、実際にウサギやモルモットを持っていきます。普段なかなか接する機会のない小さな子に話しかけるのは新鮮で、とても勉強になりました。
それだけではなく、「動物と触れ合うことで、子供たちに命を大切にする気持ちを持ってほしい」と熱く語るボランティアの方のお話を聞いて、その意識の高さも伝わってきました。
何かボランティアをしてみたいと思っている人は少なくないと思いますが、その様な場を提供するという意味でも、動物園は重要な役割を果たしていることがわかりました。
また、実習をしてよかったと思うのは、飼育や職員の皆さんから 動物のことについていろいろな話を聞けたことです。
トラの赤ちゃんがこの前池に落ちたこと、キリンはメスの方が優しい顔なこと、今日はゾウの機嫌が悪いということ。そんな話を毎日聞くうちに、どんどん動物に愛着がわいていきました。
そして、毎日園内を歩き回るうちに、「今日はどんな様子かな?」と気になるようになっていきました。たまに動物園に行くのも新鮮ですが、「今日も元気かな?」と度々のぞきに来るのも、一つの楽しみ方かもしれません。
このように、大好きな動物たちに囲まれて実習ができたのは、とても良い経験になりました。また、動物園の皆さんには、仕事の事から動物のことまで詳しく教えていただいて、本当にありがとうございました。